ステージと客席は、手入れの行き届いた芝生。広島県御調郡向島町の洋らんセンターの「しまなみトワイライトコンサート」に集った人たちが、ジャズのスイングに体を揺らす。洋らんセンターは一九九五年にオープンした。ランの生産と展示を手掛けるこの施設はしばしばコンサート会場となり、町内外の人でにぎわう。
「どこの家でも、住んでいる人が楽しそうでないと、客は来ない」。センターを運営する農事組合法人「オーキッド向島」の代表理事、林原透さん(53)は、センターが町の”応接間”として利用されることにこだわってきた。「オーキッド(ランの意)コンサート」と銘打ち、音楽会を定期的に開催。貸し会場としても開放している。
展示室がコンサート会場になれば、主役の座を譲ったランが、華やかさを演出する。隣には、二千平方メートルの芝生。ゆとりと安らぎに配慮した設計は、人がいてこそ生きる。
消費者の声を直接聞きたい―。林原さんがセンターの運営に乗り出した動機である。「大量生産、大量消費の時代は終わった。花を育てる手間ひまを楽しんでほしい」。かかわりを大切にする思いが、運営方針につながっている。
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「しまなみトワイライトコンサート」は、男性三人が企画した。開業十年の喫茶店主は、しまなみ海道の起点として向島から発信する構想を練った。展示室でのコンサートに味をしめたジャズバーのマスターは、野外ライブでマイクを握った。ビールを供給する酒屋も加わった。
芝生広場には、三百人余りが集まった。ボーカリストはアンコールの声にこたえ、「来年もやりましょう。橋が架かるから、五倍の人を呼びましょう」と呼び掛けた。

