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(3)しまなみ大学 文化や自然学んで観光 うず潮体験衣替え
村上水軍の本拠地があった愛媛県宮窪町の無人島、能島。その周りを漁船で巡る「能島水軍観光」が人気を呼んでいる。約三十分間、料金五百円のうず潮体験は、「鳴門より迫力がある」と評判だ。若手漁業者でつくる宮窪水産研究会が、毎月第一日曜日に開く漁師市のイベントとして昨年四月から始めた。 うず潮体験は来春、瀬戸内しまなみ大学の宮窪校総合学部自然学科に衣替えする。「ガイド養成に力を入れ、回数を増やしたい」と同研究会員の藤本義信(34)。町長の菅原恒夫(66)も「和船こぎ体験を取り入れ、水軍の歴史にこだわった町の顔づくりを」と架橋に備える。 内海がキャンパス しまなみ大学とは、瀬戸内の風景をキャンパスに見立てた一種の「仮想大学」である。人口十万人の島々を縫って走るしまなみ海道。その周辺の広島、愛媛県の二十市町村が連携し、歴史や文化、芸術、自然などわが町の個性を生かした学部、学科を設ける。そして学び、遊び、体験する宿泊型のイベントや講座を実施して、人を呼び込む狙いだ。 「まだ十分に活用されていない恵まれた資源を、架橋開通を機に生かしたい。そのためには、県境を超え、当事者が手をつながなくては」。二十市町村を束ねる瀬戸内しまなみ海道周辺地域振興協議会事務局長で尾道市参事の荒谷充生(49)は力を込める。「開通の年はにぎわっても、二年目以降が問題なんです。一過性でない地域振興の切り札にしたい」と続ける。
来春開学へ準備中 開学は来春。学長には広島県瀬戸田町出身の日本画家平山郁夫(68)が就任する。学生証や機関紙「大学通信」の発行、周辺地域の施設利用を対象にした「学割」制度など、形は少しずつ見え始めてきた。しまなみ大学構想が、広島側で語られ始めて四年余り。愛媛側も含めた実施計画ができたのは今春のことである。 「まだ市町村によって温度差がある。しまなみ大学の趣旨を、首長を含め職員全体に徹底しなければ」。今治市企画調整課長の井手克彦(53)は、各市町村が学科の熟度を高めることを急務と考えている。大学本部としても、沿線の歴史文化や環境などを切り口に、生涯学習的な講座をどう展開するか。課題は山積している。 「大切なのは継続。毎年、少しずつステップアップさせ、大きく育てよう」と茶谷は呼び掛ける。五年か十年後、県境を超えた連携の真価が問われる。
(敬称略)
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