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(4)拠点再編 備後3市そろわぬ足並み
「関西へのメーンゲートは福山になるだろう」。しまなみ海道開通後の人の流れを、対岸のJR四国営業企画部長の松島裕彦(42)はこう予測する。新尾道大橋を渡り、しまなみ海道起点から道なりに北上すると、山陽自動車道の福山西インターに出る。しかもJR福山駅には新幹線「ひかり」の大半が停車するからだ。 福山はバス拠点に しまなみ海道の完成により、本四間の航路の多くが廃止、縮小される。それにとって代わる高速バスの拠点となるのが福山市。松山、今治両市と広島県を結ぶ高速バスのルートは、計四十九便。このうち福山発着は十八便と最多である。 福山市内には、宿泊機能も約五千人分ある。大型スーパーなど大規模商業施設の出店も相次ぐ。市長の三好章(69)は「あくまで尾道が起点。うちはおこぼれをもらえればよい」と控え目ながら、「四国と結ばれることで、拠点性は一層高まる」と自信をのぞかせる。 再開発を急ぐ尾道 一方、しまなみ海道の起点である尾道市の表看板は「瀬戸内の十字路」である。山陽道が九三年に開通、中国横断道尾道松江線の整備も始まるなど、高速交通網の結節点に位置している。架橋開通に合わせ、JR尾道駅前再開発事業を急ピッチで進めている。 尾道といえば「坂と路地」の街。車での観光には適さない。しまなみ海道を通る車のうち、「一体、市内にどのぐらい降りてきてくれるか」と気遣う声もある。市長の亀田良一(71)は「駐車場を郊外に確保したい。街に手を加えず、寺社など本物を残していくことが、人を呼ぶことにつながる」と、今の街の姿を大きく変えない方針だ。 三原は空港に活路 一九七五年の新幹線駅開業を機に、本四航路の玄関口の座を尾道から奪った三原市。ところが今治航路は、今年四月に明石海峡大橋の開通に伴って高速船が廃止された。一日十八便のフェリーも来春にはなくなる。港の拠点性が失われた後は、広島空港(豊田郡本郷町)の玄関口としての街づくりに望みを託す。 その切り札が、同市と豊田郡瀬戸田町間に橋を架ける「新三原大橋(仮称)」構想である。市長の山本清治(67)は「しまなみ海道と広島空港を最短距離で結べる。経済的にも時間的にもメリットは大きい」と強調。両市町は経済界と架橋促進協議会をつくり、国県へ要望を続ける。
だが実際には、備後五市の市長会議は久しく開かれていない。三好は「五市の市長だけが集まっても特に共通の課題はない。観光戦略などは事務方でやればいい」。亀田は「福山や三原との連携より、中四国の連携だ」。山本も「それぞれ頑張っていけばいい」。 架橋開通の日は近いが、三都市の足並みはなかなかそろいそうにない。
(敬称略)
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