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(5)広域観光 国内外の客誘致知恵絞る
瀬戸内地域に外国人観光客を誘致しようと十八日から五日間、広島、愛媛、山口の三県が初めて共同で招いた。旅行業者たちは、萩、広島の平和記念公園、松山の道後温泉を巡った帰りに、今治市の糸山公園に立ち寄った。韓国の業者沈秀輔(32)は「韓国では島をつなぐ橋は珍しい。道後温泉とも結ばれ、観光ルートとして有望」と満足げ。 宿泊客120万人期待 広島空港に降り立つアジア観光客の多くは、テーマパークや温泉の多い九州へ流れている。広島県観光交流課長の藤井秀幸(52)は「しまなみ海道で愛媛と結ばれる来春からが勝負。多島美の景観をPRしてアジア客を取り込みたい」と意気込む。 三橋時代の到来は、瀬戸内海観光新時代の幕開けでもある。「明石海峡大橋で行ってしまなみ海道から帰るなど、複数の回遊ルートができる。狙いは関西客。船旅も組み合わせて尾道、道後、宮島を結ぶことも可能」。近畿日本ツーリスト中四国営業本部営業部長の足立勝(51)は、回遊ルートの立案に知恵を絞る。 ここ数年、宿泊客が年百万人前後だった道後温泉。旅館組合理事長の奥村武久(60)は、しまなみ開通の初年度は百二十万人以上を期待する。瀬戸大橋完成時の百四十万人には及ばないが、「四国観光の底上げになることは間違いない」。 自転車マップ検討
一方、マイカーなどで訪れる観光客の動向予測は難しい。沿線地域は、多数派である個人客を相手に観光戦略を練っている。自転車で渡れる橋であることがしまなみ海道の大きな特徴。市町村の連携で、トイレや緊急連絡先を載せたサイクリングのルートマップを開通までに作製し、貸し自転車の乗り捨てシステムも検討中だ。 沿線の社寺がスクラムを組んで、三年半前から七福神巡りを企画している。代表で因島市の大山神社宮司の巻幡俊(47)は「都会の人は海や島の景色に安らぎを覚え、心いやされる。年間二、三千人はお参りされます」。 個性づくりも課題 天草五橋、瀬戸大橋など架橋観光ブームは過去、長続きしていない。「しまなみ観光は長く続くだろう。橋だけでなく、多島美の自然との触れ合いができる」とJTB中国四国営業副本部長の迫田清三(50)。ただ「ルート内の観光資源は同じようなメニューが多い。個性を前面に出した魅力をつくり出さないと共倒れになる」と気遣う。 広島、愛媛、山口三県が国際観光客誘致の推進協議会を発足させて五カ月。「このルートは、国内観光客を誘致する戦略の土台にもなる。やはり三県でやらないと観光商品にならない」と広島県の藤井。遅まきながら隣県とのタイアップの在り方に、思いを巡らせている。
(敬称略)
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