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(6)ネットワーク 沿線情報「草の根」発表
ブランド化目指す しまなみ地域は新鮮な海の幸に恵まれ、海を介して発展したものづくりの伝統もある。歴史、文化的な背景も含めて外部に発信する「しまなみブランドづくり」が福羅の狙いだ。 今治市の印刷会社に勤務する磯野洋介(40)が、A4判四ページのパンフレットの見本を配った。表紙のタイトルは「メイドインしまなみ」。来島海峡大橋や尾道の漁港、干しダコなどの風景がちりばめられている。「海道開通は千載一遇のチャンス。海産物やタオル、大島石などの特産をふんだんに盛り込み、通信販売やホームページ開設も」と磯野は意気込む。 構想では、約百七十ページのカラー情報誌として来春、一万部発行する。商品の掲載料などで作製費をまかなう。磯野の印刷会社が発行元となり、倶楽部のメンバーが応援団だ。「情報誌づくりで沿線の経済交流を促進できないか」「尾道、今治間を歩く、しまなみ交流記の掲載を」。会員たちが活発に知恵を出し合う。 ざん新な提案続々 倶楽部は、しまなみ地域では数少ない県境を超えた民間の組織である。昨年七月に結成し、会員は四十人。インターネットを使った仮想商店街、シーカヤックによる島巡りなどアイデアを次々に打ち出してきた。この日も尾道市の会社役員、沼尾伸一(39)が「沿線のライトアップを働きかけよう」と新提案をした。 民間組織だからこそ、相互訪問など交流を深め、軽やかに県境を越える。「行政主導の交流は組織や形式にとらわれがち。地域に住むわれわれが主役になってこそ本当の交流になる」と福羅は手弁当精神の大切さを説く。
架橋開通を控え、連携を模索する動きが他分野でも出始めた。今月二十一日、広島県瀬戸田町に沿線各地のボランティア団体の代表ら二十四人が集まった。朗読、点字、施設慰問など各地のグループが顔を合わせたのは初めてである。 尾道市のボランティアグループ「おのみち悠遊友の会」メンバー、石崎弘一(62)らが呼びかけた。愛媛側からも「車いすの人が海道を移動するにも、ボランティアのネットワークがあれば便利」など連携を模索する声があがった。具体的な交流計画まで及ばなかったが、「まず情報交換から」で一致した。 しまなみ沿線の六つの島の高齢化比率は、大三島町の四一・七%を最高に二―三〇%台。石崎は「高齢化はわれわれ自身の問題。しかも架橋で島の過疎化に一層の拍車がかかる恐れもある。暮らしやすい地域づくりのために、行政の枠を超えて助け合えれば」と次回会合に期待を込めた。 架橋開通を目前に控え、民間ベースで人と人のネットワークが生まれつつある。沿線が一体になるしまなみ広域圏形成のカギを握るのは、こうした地域住民の動きである。
(敬称略)
第2部・おわり
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