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(3)KK瀬戸田町の賭け 際立つ観光拠点 背水の陣
「瀬戸田がなければ、しまなみは通り過ぎるだけ」。大手観光業者が口をそろえるように、観光拠点を次々に整備して来た瀬戸田町の存在は、沿線で際立っている。ただシトラスの建設費は五十億一千万円(町負担二十一億九千万円)、昨年四月に開館した平山郁夫美術館は十七億一千万円(同十四億九千万円)。借金を重ねた結果、町財政は火の車寸前だ。 前町長がけん引役 島まるごとテーマパークを志向しているように見える瀬戸田町の戦略を推し進めて来たのは、前町長和気成祥(69)である。一九七五年に就任したころから「西日光」として知られる耕三寺の参拝客数が減り始めた。その後も造船不況、オレンジ自由化が町を襲う。観光に活路を見い出そうとした和気は、観光客の島内滞在時間をいかに長くするかにこだわった。
かさむ借金 不安も 一方で、かさむ借金に不安の声も出始めている。昨年度末の起債残高は七十一億九千万円と一般会計当初予算の約一・六倍。起債制限比率は三年間に五・六ポイントもはね上がり一五・二%に。自治省が償還適正化を指導する対象となり、県内でも七番目の高さだ。「果たして、開通後何年先まで大勢の観光客が来てくれるだろうか。借金のツケが住民にのしかかって来るのが心配」とユースホステルを運営する井場源三(47)。 和気は「開通前に観光客の流れをつくろうと、無理に事業を進めてきたのは事実。長い目で判断してほしい」。現町長の柴田大三郎(53)は「有史以来のチャンスを生かそうとした結果で、財政難は織り込み済み」と言いながらも、「財政再建団体にならないよう、今後は事業を絞り込む」と厳しさを認める。 リピート客がカギ シトラスパークは、開園後一年間の入園者目標を三十万人に設定している。架橋効果が薄れそうな三、四年以降も年間三十万人が採算ライン。草苅は「リピート客をつかまねば」と世界のかんきつ試食会やミカン狩り農園の整備など新たな魅力づくりに知恵を絞る。ホワイトボードの入園者数は、観光に賭(か)けた町の命運を左右しかねない数字でもある。
(敬称略)
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