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(5)逆手の発想 「離島らしさ」売り物に
レモン酢を使った寿司(すし)やマリネ、器や装飾にもレモンの皮や葉を利用したメニューが並んだ。「意外とレモンの苦みがないね」。民宿を経営する組合長の砂川丈夫(59)は「島を印象づける一品として料理に加えてみたい」と評価した。 観光客増へ特産を 岩城村は、しまなみ海道周辺でも橋から外れた非架橋の島である。海道開通を機に、少しでも島を訪れる観光客を増やそうと模索を始めている。そのカギが、特産のレモン。愛媛県果樹試験場岩城分場の助言を受け、村が産地化に乗り出した。八四年に「青いレモンの島」の商標を登録。翌年から産直販売も始めた。 国内で最初にハウス栽培を採用し、夏場の「青いレモン」を安全性の象徴として定着させた。現在、約五十戸ある栽培農家の主婦らを中心とした生活改善グループがレモン料理の発案者でもある。 グループはレモン加工品の開発にも取り組み、五年前、レモンを使ったバターなどを作ってきた。役員の西村孝子さん(50)は「できればグループで店を開いて、料理で観光客をもてなしたい」と意気込む。
さらに、今春ホームページを開設。特産品などの紹介に加え、バードウオッチャーのための「鳥を見てみんで」、釣り情報「釣れるんじゃがね」と、発信する内容はさまざま。担当する村産業振興課課長補佐の宮脇馨(47)は「島の生活を直接見てもらえるような工夫をした。全国に情報発信したい」と言う。 しまなみ海道周辺の愛媛県では、生名村と弓削町も離島のまま残る。岩城村を含む三町村に橋を架け、しまなみ海道につなぐ構想もあるが、いつのことになるか分からないのが現状だ。 生名村は「スポーツ合宿村」を掲げて町づくりに取り組む。昨年、島しょ部では珍しい温水プールを、野球場や体育館などとともに整備した「いきなスポレク公園」がオープンした。生名村助役の浜田光(70)も「いい空気、いい海がある自然条件を生かした、スポーツの場にしたい」と戦略を練る。 保養施設も計画中 弓削町も島を保養・療養基地とする「アイランドテラピー構想」を進める。テラピーはギリシャ語で「治療」の意味。島での滞在、交流を通じて心身をリフレッシュする発想だ。中核施設となる海水温浴施設は、二〇〇〇年春のオープンを目指している。 岩城村に赴任し、通算約二十年になる果樹試験場岩城分場長の脇義富(51)は「橋が架かってしまえば本土といっしょ。島として残るメリットをいかせないか」と、離島性を逆手に取った発想の転換を呼びかける。船しかない制約に、「裏返せば時間的なゆとりができるということ。その間、レモンの農業体験などで島を楽しんでもらうメニューづくりが欠かせない」と提案している。
(敬称略)
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