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(4)生活航路 自治体支援が存続のカギ
利用者激減を予想 本四公団の予測では、多々羅大橋が開通すると、同航路の利用者は現在の三六%にまで減少する見込み。昨年一月に発表された関連航路再編成計画で「廃止するが、利用者利便に配慮するため、新たな運航主体による航路維持方策を検討する」ことになった。高速船は現在、一日十便で三原発の最終は午後九時。二年生の越智一平(16)は「今は補習などで帰りが遅くなっても大丈夫だが、これからどうなるのか・・・」と不安そうだ。 この航路は、通院や通勤、新幹線利用など島の住民の生活航路である。一九九七年の利用者は約七万七千人。とりわけ、通学生やお年寄りなど車を持たない人への影響は深刻だ。 航路の存続を求めて住民たちが動いた。「進路の選択肢は多い方がいい」。上浦中PTA会長の越智政弥(46)は昨年七月、通学の交通手段を確保するために航路存続を求める署名運動を展開した。如水館高に通う長男を持つ越智が、たまたまPTAの集会で航路廃止の話をしたのがきっかけだった。 航路がなくなれば、三原市へは町北部の盛港から竹原市忠海港へのフェリーと、JRを利用することになる。フェリーは島への最終便が午後七時半発。所要時間も高速船の二十八分に対し、乗り継ぎ時間を除いてもフェリーとJRで四十分前後かかる。架橋後に走る今治―三原便のバス路線も同じフェリーを利用し、一日八往復しかない。
署名活動は町内三小学校のPTAも巻き込み、町内の有権者のほぼ半数に当たる千五百人分を集めた。越智は「みんなが船を必要としている」と痛感した。 そんな町民の声に、高速船を運航する大三島フェリー取締役の松岡一誠(42)も「島の人間にとって、ふだんは橋より船の方がはるかに便利」と再認識した。新しく第三セクター会社を設立して経営をスリム化、船も小型化して航路を維持する計画を進める。 しかし、認可する側の中国運輸局は、架橋の影響に加え、島の人口減などを理由に採算を不安視。運航補助金など上浦町自体の積極的な航路維持策が不可欠とみる。運航部専門官の西川雅己(47)は「住民にとって必要な航路、という町の熱意や意欲が見えてこない」と指摘する。 申請期限は今月末 カギを握る上浦町は、三セク会社への出資金百万円を予算計上し、十三日には中国運輸局に航路認可の要望書を提出した。しかし、各地で三セクの経営悪化が問題化している折、それ以上のバックアップには慎重だ。町長の高橋幸意(70)は「最初から補助金などを出すと責任問題になる。企業努力で頑張ってもらい、経営が苦しくなれば、その際に対応を考えればいい」という姿勢を崩さない。 「この航路は公共交通機関のようなもの。バス路線のように補助金を出して維持しても住民は納得するはず」と越智。生活の足を守る模索が続く中、中国運輸局が想定する航路認可の申請のタイムリミットは今月末に迫っている。
(敬称略)
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