島はまだまだ元気です


芽生える若い力 守り続ける伝統

 瀬戸内海の島々を歩いていると、人が減り高齢化が急激に進んでいるのを肌で感じる。が、力強い息吹も芽生えている。海に生きる人を訪ねて回った。

 高齢者の町、山口県東和町では、今春から若い兄弟が農業後継者の仲間入りをした。大谷正樹さん(26)と直樹さん(20)。正樹さんは農業大を出、直樹さんもバイオ技術を学んで、古里に帰ってきた。父と力を合わせてミカンとサツマイモづくりに夢を託す。

 日本一のワケギの産地、広島県向島町の岩子島。小高い丘の畑で、脱サラ組の三浦邦夫さん(45)、千恵子さん(39)夫妻が、ワケギの出荷に追われていた。三浦さんは昨年十月、営業マンから転身。今は営農講習会に、視察にと勉強に懸命だ。

 香川県小豆島の池田町では、道の駅・ふるさと村のソーメン館で、西山誠さん(39)が四百年の伝統を誇る手延べそうめん作りに打ち込んでいる。

 伊予灘に浮かぶ愛媛県長浜町青島の小さな診療所。看護婦の赤丸恵子さん(47)は、暖かい島での生活にあこがれて二十年前、雪国の福井から移り住んだ。すっかり日焼けした白衣姿で、聴診器と血圧計を手に島民一人ひとりに声を掛ける。

 若い人だけではない。岡山県牛窓町の岡本富夫さん(71)、玲子さん(66)夫妻は、夫婦船で毎日ママカリ漁に出掛けて四十年近くになる。大漁に二人の顔は輝いた。

 (写真部・野地俊治)



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