関西の宮本はタフな左腕だ。四回を除いて毎回、走者を背にするピッチング。尽誠学園の12残塁という数字が、打たれ強さを示している。 悔いが残るとすれば、立ち上がりの甘さだろう。一回、先頭打者の坂口と坂田にソロ本塁打。ともに打者有利のカウントで、不用意にストライクを取りに行ったところを打ち込まれた。 六回の失点は、先頭打者の青木に四球を与えたのがきっかけ。二死三塁から和田の左前適時打で、決定的な追加点を奪われた。 攻めては二回無死一、二塁で二塁走者河本が飛び出し、捕手からの送球で刺されたのが痛い。これで和田のペースにはまり、七回まで無得点。八回、宮本の右前適時打で1点を返すのが、精いっぱいだった。(永山)
「また来ような」 ―応援団から暖かい拍手
選抜高校野球大会七日目(31日)の3回戦第1試合で、関西は四国大会の覇者・尽誠学園(香川)に1―3で惜しくも敗れ、ベスト8進出はならなかった。自慢の打線は力を出し切れなったが、初戦の鳥羽(京都)に続いて優勝候補を相手に好ゲームを展開。「また来ような」。夏への確かな期待を膨らましたナインに、約二千五百人の応援団からねぎらいの拍手が鳴り止まなかった。 「流れを変えたい」。0―3と抑え込まれていた八回二死三塁。スタンドの熱い視線は、一年生の三番宮本賢投手に集まった。「頼む」「打って」。この試合、幾度とない押せ押せコールがスタンドから沸き上がる。初球。打球が一、二塁間を抜け、応援団の目の前に飛び込んだ。 待望の初得点。切れ目のない強力打線の噴火に期待が高まった。「続け」。辻信也右翼手の父宏夫さん(40)は「突破口は開いた。あとは先輩が何とかしなくては」とげきを飛ばす。追い上げムードもつか間。主砲の杭田考平遊撃手が凡退。九回も三人で打ち取られた。 一回から2本塁打を浴び、苦しい展開。宮本投手は走者を背負いながらも、粘り強い投球を貫いた。父寿男さん(50)は「いつも通りの投球。夏につながる」と息子をほめた。 惜敗にも、ナインの大半が涙を見せなかった。「もっと上に行けるぞ」。試合終了後、応援席に駆け寄る選手に温かい声援が送られた。難波泰朗校長(64)も「困難を切り開く力を持ってほしい」。ナインもスタンドも、すでに夏をしっかり見据えていた。 (2001.4.1) |