中国新聞
(02.03.26)
頑張れ!! 広島商
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粘って逆転 足絡め樟南下す
1回戦
  
広島商 
樟 南 

Photo
樟南に逆転勝ちし、スタンドへあいさつに向かう広島商ナイン

 広島商が和田の粘投と足を絡めた攻撃で、樟南に逆転勝ちし た。

 3点を追う三回、四球と富永の二塁打で一死二、三塁とした後、 田中のスクイズと敵失で2点。五回には富永、田中の連打と四球で 得た無死満塁から、吹田の中前への2点適時打と暴投で計3点を奪 い、岩崎の攻略に成功した。

 広島商の和田は一回、球が走らず、4本の長短打を浴びて3失 点。以後も五回の二死二、三塁、六回の無死一、三塁など再三、ピ ンチを招いたが、粘り強い投球で切り抜けた。(永山)

 待球作戦で好投手攻略


五回表、広島商無死満塁、吹田が中前に逆転の2点打を放つ。投手は岩崎

 五回に入ると樟南・岩崎の球威はがくんと落ちた。吹田の逆転適 時打は、実に104球目。試合を決定付けた5点目は暴投だった。 「勝つには、この形しかなかった」と迫田監督。序盤に張り巡らせ た「伏線」が、鮮やかな逆転劇を生んだ。

 いきなり3点を追う展開にも、広島商ベンチは冷静だった。ボー ル球が先行する岩崎に対し、二回までは「待球作戦」を徹底。三回 はバントの構えで揺さぶり、スクイズと敵失で2点を返した。

 走塁面の「ボディーブロー」も、岩崎を追い込んだ。塁上では大 きくリード。1球ごとに走る構えを見せ、執ようなけん制を誘っ た。ヒットエンドランも多用。「広商野球を意識しすぎると、術中 にはまる」。樟南・枦山監督の不安は的中。岩崎のリズムは確実に 乱れていった。

 「広商不利」。劣勢の前評判を覆すべく、周到な準備を重ねた。 前日は、和田が樟南打線のイメージを頭に入れるため、控え選手を 打順どおりに左右の打席に立たせて対戦。一週間前には、日没を想 定してナイター練習もした。試合後、ナインの笑顔がカクテル光線 に映えた。

 攻撃の27アウトのうち飛球は1個。守りも無失策で切り抜けた が、迫田監督は真っ先に「走塁やバントのミスが多かった」と反 省。栗原主将も「次は普段通りのプレーをする」。4年ぶりのセン バツ勝利にも浮かれない「広商野球」に、次戦への期待は大きく膨 らむ。(加納)

納得の粘投 変則左腕
― 和田 毅投手 ―


二回以降、樟南打線を無失点に抑えた広島商の和田

 137球を費やしての完投勝利。185センチの大型左腕は、お 立ち台で開口一番、「甲子園のマウンドは気持ちよかった」と胸を 張った。中学時代、一度は投手失格のらく印を押されているだけ に、その言葉には万感の思いが込められていた。

 一回が最大の危機だった。4長短打を集められ3失点。折田部長 から「試合前の投げ込み不足」と指摘され、肩を温め直すと、二回 以降、点を与えなかった。

 この間、六回の無死一、三塁など何度もピンチはあった。その都 度、ナインを信頼。ほとんど直球一本で、ヒョイと相手打線をかわ し続けた。「一回を除けば満点」。自らも納得の粘投だった。

 一年秋に一塁手から転向してまだ一年余り。「最初は下手投げだ ったが、横手にすると球も速くなって、制球力もついた」。変化球 もまだあまり投げられない変則左腕は、この勝利で一段と自信を深 めたようだった。(永山)

スタンドも咲いた
響くしゃもじ流れ呼び込む


三回の反撃に跳び上がって喜ぶ広島商応援団

 選抜高校野球大会第一日の二十五日、鹿児島の樟南と対戦した広 島商は、6―3で勝ち、初戦を飾った。一回にいきなり3点を奪わ れたものの、広島から詰め掛けた約八百人の応援団はあきらめなか った。一塁側アルプス席から大声援を送り続けてナインを力強く後 押しし、逆転勝利に結び付けた。

 「経験が浅いので大舞台で硬くなり、コースが甘くなってる」。 一回、4安打で3点を奪われた和田毅投手の父範久さん(51)は応援 席上段から息子の投球を見守った。「広商は後半が強いので、追い 上げに期待したい」

 2点を返して迎えた五回。無死満塁のチャンス。打席に立った吹 田英明選手の母美沙子さん(44)は「普段の努力の成果を発揮してチ ームに貢献して」と願った。見事逆転適時打を放った瞬間、跳び上 がって「よくやった」。涙を浮かべ、大きな拍手を送った。

 六回裏無死一、三塁。和田投手が再び迎えたピンチに応援席から 「頑張れ、頑張れ、毅」の大声援。これまで以上に大きくなった応 援に支えられ、無失点で切り抜けた。応援団長を務める三年の鎌田 竜州君(17)は「みんなが一つになって和田君を盛り上げることがで きた。最高」と喜びの表情を浮かべた。

 最終回。最後の打者を空振り三振に切って取った和田投手に範久 さんは「よく粘って頑張った。すごい」と息子の力投を褒めた。

 初戦を飾り、笑顔でスタンドに駆け寄るナイン。応援席はメガホ ンやしゃもじを打ち鳴らして迎え、拍手とねぎらいの言葉で健闘を たたえた。

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