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皆実、作陽下し8強 全国高校サッカー '08/1/4

 サッカーの全国高校選手権第4日は3日、東京・駒沢陸上競技場などで3回戦8試合を行い、皆実(広島)は0―0からのPK戦で前回準優勝の作陽(岡山)に勝って2大会連続のベスト8入りを決めた。高川(山口)も埼玉栄(埼玉)を逆転で下し2年ぶりに8強入りした。

 両校のほか、三鷹(東京B)藤枝東(静岡)優勝候補の流通経大柏(千葉)東福岡(福岡)遠野(岩手)津工(三重)が準々決勝進出を決めた。

 三鷹は宮城工(宮城)に2―0で快勝し、初出場勢で唯一8強入りした。都立勢が1大会3勝するのは史上初めて。4度の全国制覇を誇る藤枝東は日大藤沢(神奈川)に2―1で競り勝ち、10大会ぶりに準々決勝へ進んだ。

 5日の準々決勝で皆実は津工、高川は遠野と対戦する。

▽中国勢対決PK戦3―0

 ●…両者無得点でのPK戦を皆実が3―0で制し、前回大会に続き8強入りした。

 皆実は作陽の縦のスピードに押し込まれたものの、最後はGK増田の好セーブなどでしのぎ、ゴールを割らせなかった。作陽は持ち味のカウンターを仕掛けたが、攻めきれなかった。

 PK戦で皆実は2人目が外したが、作陽は3人続けてゴールの枠をとらえることができなかった。

▽GK増田 絶大な存在感

 PK戦。4人目のFW下江和裕が決めると、皆実イレブンは応援席へまっしぐらに走った。2大会連続の準々決勝進出。広島県大会から9試合続けて無失点。本大会はPKでもゴールを割らせない。威圧感たっぷりのGK増田卓也にDF松岡祐介がささやいた。「ありがとうございます」。守護神は苦笑い。「僕は止めてないよ」

 中国地方のライバル対決は80分間で決着がつかなかった。わずかによぎった不安を消したのは、落ち着き払ってPK戦へ向かう増田の姿。藤井潔監督は「大きく見えた」と命運を託した。「タイミングをずらして自分のペースに持っていった」と増田。ゴール枠内にも、ボールは飛んでこなかった。

 DF林正泰は「あいつが立つとゴールが小さく見える」と言う。後半18分は至近距離のシュートを右足ではじき、二度目のシュートはがっちりキャッチ。同36分には相手FKを味方がクリアミス。あわやオウンゴールというシーンも、右手一本で好セーブした。個々の一対一の強さと組織的な守備に加え、後ろに構えるGKの存在感は絶大だ。

 前回大会と全日本ユース選手権を続けて準々決勝で敗れ、国立競技場へたどり着けなかった。「ここで負けるわけにはいかない」とMF加藤昂主将。攻撃だけでも、守備だけでも、勢いでもない。皆実が一つずつ歩を進めていく。(広重久美子)

▽「胸張り岡山に帰る」

 ●…作陽はPK戦で力尽きた。GK安井豪主将は「作陽のサッカーはできた。胸を張って岡山に帰りたい」。涙を何度もぬぐいながら、仲間の肩を抱いた。

 前回大会準優勝。今チームは夏のインターハイ出場を逃し、秋の全日本ユース選手権は1次リーグで敗退した。安井は「勝って当然と思われる中で、結果が出せなくて苦しかった」。何とかたどり着いた全国舞台だった。

 岡山県大会決勝はPK勝ち。皆実戦で再現を狙ったが、1本もゴールの枠に飛ばなかった。野村雅之監督は体調不良で入院中。松本賢治監督代行は「野村監督に良い報告ができずに残念」と、肩を落とした。

▽高川、逆転勝ち

 ●…高川が逆転勝ちした。1―1の後半19分、速攻から右サイドに抜け出したMF原田が決勝ゴールを決めた。

 前半13分、高川はサイド突破から埼玉栄MF小野に先制ゴールを許した。しかし31分、MF永野のインターセプトからFW斎藤が決め、追いついた。

 勝ち越し後は、長身選手を前線に集めた埼玉栄の猛攻をはね返した。

▽3トップ縦横無尽

 試合終盤、180センチ台のDFらを次々に前線に上げ、高さを生かして総攻撃を仕掛ける埼玉栄。その猛攻をしのぐと終了の笛が。2年ぶりの8強。「できることを繰り返しやった結果」と言う白井三津雄監督の声はかれていた。

 好調の要因は3トップだ。シンプルな戦術だがスピードある3人が縦横無尽に動き、相手をかく乱する。「前にボールを運べるし、DFラインも下がる」と監督。同点ゴールのFW斎藤達也は3戦連発で、山口県大会からでは通算8戦連続弾となった。「負ける気はしなかった」と攻撃力には絶対的な自信を持つ。

 3トップ効果はまだある。マークが集中する分、MFの攻撃参加も生きる。決勝点のMF原田光もうまくオープンスペースに抜け出しての得点だった。原田は「目の前の試合に、練習してきたことを出していきたい」と気持ちを引き締めていた。(下手義樹)

【写真説明】【皆実―作陽】後半36分、味方守備陣のクリアミスで、あわやオウンゴールとなるボールを好セーブする皆実のGK増田(撮影・荒木肇)




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