中国新聞

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学校
 第2部 部活の現状 10 全員加入


全員
「特別活動」の項目から、クラブ活動が消えた中学校の新学習指導要領

クラブ活動廃止で混乱

 二〇〇二年からの学校週五日制。新教育課程への移行に伴う学習指導要領の改訂が、中学校に波紋を広げている。教育活動の一環として、「特別活動」の中で明確に関連付けられていた部活が、学校裁量というあいまいな形になった。「校長はみんな悩んでいる。もう部活はやらなくていいのではという声もある」。広島県公立中学校長会の部屋紘昭会長(60)は、戸惑いを隠せない。
≪メ  モ≫
クラブ活動(1989年改訂の中学校学習指導要領から抜粋)
 ◇第4章特別活動
 ▽内容 クラブ活動においては、原則として学年や学級の所属を離れ、共通の興味や関心をもつ生徒をもって組織するクラブにおいて、全生徒が文化的、体育的、生産的又は奉仕的な活動のいずれかの活動を行うこと。
 ▽指導計画の作成と内容の取り扱い 部活動に参加する生徒については、当該部活動への参加によりクラブ活動を履修した場合と同様の成果があると認められるときは、部活動への参加をもってクラブ活動の一部又は全部の履修に替えることができるものとする。

 「クラブ活動」の廃止が、教育現場に混乱を生む原因になった。クラブ活動は放課後の部活と区別され、毎週一時間、必修授業として組み込まれていた。一九八九年の指導要領改訂では、「部活動で代替できる」とされ、部活への全員加入、教員の全員顧問制を定着させる基になった。

 今回の改訂ではその根拠がなくなり、「具体的な指針もない」と部屋会長。すべて学校の判断にゆだねられた。任意加入にすれば、加入率低下が懸念される。「顧問も任意になれば、部活に対する認識の差が生まれ、学校全体でということにならない」

任意加入で部数減る

 一方では、全員加入の問題点も指摘される。山口県では、二、三年前から任意の学校が増え、現在では約二割を占める。運動嫌いの生徒への強制が苦痛を生む弊害や、県内で毎年、20―30部が廃部になっているのも原因。県中体連の田辺克己理事長(44)は「生徒ニーズも多様化。数少ない部活に、縛り付けるわけにはいかなくなった」と言う。

 広島県でも任意加入にし、部数を減らす学校が出てきた。教員側の理由もある。部活による時間外勤務(サービス残業)や、大会引率などの休日勤務と代休未消化の問題に加え、教員減で校務分担も増える。各校の職員会議では「希望する教員だけが顧問になればいい」という声も上がり、見直しが論議される。

 県内の中学校教員の約四割が加入する全広島教職員組合の今谷賢二書記長(44)は言う。「生徒の生活、健康面など、教育的意味は全面否定できないが、教員の勤務時間との調整など、今のままでは悪循環の繰り返し。社会体育への移行も本気で議論してほしい」

 新教育課程の狙いの一つは「特色ある学校づくり」。福山市の城南中は、部活を活性化の重点にすえ、地域との連携による小中一貫指導などを考える。福山市中体連会長の竹田正典校長(55)は「学校だけで部活をやる時代ではない。地域の人材活用や教員の意識改革も必要。学校がどういうビジョンを地域に示し、支援してもらうか。意思統一をやり直すいいチャンス」と前向きにとらえる。


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