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 第2部 部活の現状 7 県外流出


県外
小規模校のハンデをはねのけ、全国制覇を達成した島地中の女子卓球部

夢追い環境整った地へ

 山口県中部の山あいにある佐波郡徳地町。全校生徒六十四人の島地中の女子卓球部が昨年、全国中学校大会で初の団体優勝を果たした。顧問の岡本勝則教諭(42)が小中一貫指導で育てた選手たちの活躍は、「小規模校でも頑張れば勝てる」という希望と勇気を、全国の指導者に与えた。

 主力だった三年生の二人には、北信越や九州など県外の十高校から誘いが来た。県内からは無かった。六年連続でインターハイに出場している岩国商女子の木村立彦教諭(57)は「のどから手が出るほどほしかった」。両校は、ひんぱんに練習試合をする関係だけに、木村教諭はつらい思い抱く。「二人を勧誘し、チームを強くしたいが、いつ自分が異動になるか分からない。卒業後の進路保障の問題もあるし、声を掛けられなかった」

 島地中の二人は、中国人の指導者など、条件がそろった長野県の私立高校を選んだ。「指導が体系化されていないと選手は伸びない。県内と先進県では受け入れ環境が違い過ぎる」と岡本教諭。その生徒の一人は「地元に残りたかったけれど、自分が決めた道。両親も賛成してくれた。頑張って強くなり、将来は五輪に出たい」と夢を描く。

急がれる指導の体系化

 山口県は、競技力の面で、公立高校が担う比重が大きい。指導者の異動などで部活が不安定になりやすく、多くの競技でトップ級の選手が県外に出る。県中体連柔道専門部の関係者は「毎年、五、六人が九州や広島などに流れる。県や学校ぐるみのバックアップがないと、高校側も強く勧誘するのをためらう」と、歯止めの効かない空洞化を嘆く。

 陸上では新たな試みも始まった。「県内の選手は県内で育てよう」と、一月に光市で中高の合同合宿を実施。高校九校、中学十校の計百三十三人の選手と約二十人の指導者が集まった。タイムトライアルでは、西京高の選手が中学生をリード。中学の顧問が高校生、高校の顧問が中学生を指導した。学校の枠を超えて協力する態勢は、地区単位での合宿へ広がりをみせる。

 高齢の指導者に代わる若手の養成も図る。県中体連の長距離部門の強化を担当する光市・島田中の山村進教頭(52)は「素人の先生でも合宿を通じて指導法を覚えてもらう。高校の先生に中学生の状況を知ってもらう」。県内の中高校を一つの陸上部としてとらえ、一貫した育成へ動き始めた。


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