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学校
 第2部 部活の現状 8 進  路


進路
「水泳をやめた後は、通訳を目指したい」という佐藤さんのキャリアプラン

「競技・勉強だけ」通じない

 三年前、沼田高(広島市)体育コースの卒業生が、かつての部活の顧問を訪ねて来た。就職活動を前にした女子学生は、悩みを打ち明けた。「高校、大学とも推薦入学で、試験を受けたことがない。就職に向けて、どうしたらいいのか分からないんです。先生は(進路指導法を)考えてみられた方がいいですよ」。思ってもみなかった一言に、顧問は強烈なショックを受けた。
≪メ  モ≫
広島県の公立学校教員採用者数の推移(年度)
中学校高 校
1986年424315
87年421324
88年248269
89年170177
90年128109
91年19298
92年138132
93年14495
94年86100
95年6876
96年14050
97年14363
98年10467
99年3175
2000年2482

 一九九〇年にスタートした同校の体育コース。部活の顧問は、競技力向上と進路開拓に精いっぱいだった。最近は、大学途中での挫折や就職に苦しむ卒業生が出てきた。大学卒業後に外国で語学を勉強したり、職業訓練校に通うケースもある。「生徒には『競技と勉強だけ頑張ればいい』と言い、自分が敷いたレール(進路)に乗せていた。将来まで頭になかった」と、その顧問は言う。

将来見据え生活指導

 体育系の大学に進む生徒は多いが、保健体育教員への道は狭き門。広島県では昨年までの過去三年間で、高校の採用は計六人。卒業生で今年初めて合格した奥村健太郎さん(24)は、三度目の挑戦だった。「百人以上が受け、三十歳の人もいた。五、六回の受験は当たり前」と、厳しい現実を語る。

 「卒業生の就職は、うまくいっているのか」。生徒の先行きに不安を抱いた進路指導の野依英二教諭(37)らは、指導法を見直した。担任や部活の顧問らと連携し、昨年四月から一、二年生を対象に進路学習を始めた。リストラ社会や企業の就職内定率の現状など、ビデオや新聞などを教材に、自分の生き方や進む道を考え、調査もさせた。人生プランも書かせた。

 競泳で全国優勝した二年生の佐藤綾音さんは、通訳を目指す。「ただ勉強していれば、希望する職に就けると思っていたけど、難しいものもある。これからは資格も必要。高校では基礎をしっかり身に付けておきたい」。

 フリーターも一般化。専門学校を経て大学へというダブルスクーリングなど、進路選択は多様化する。「明確な人生設計を持ち、何を学んで行くのか。五年、十年後の社会のニーズも考えておかなければ」と、野依教諭は話す。

 競技人生を終えた後、行き場に困るスポーツ選手は少なくない。「そんな時、惨めな思いをせず、第二、第三の人生に立ち向かえるように、自分で考える力と、生きる強さを身に付けさせたい」。就職難の時代を見据え、同校の体育コースは十一年目を迎える。


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