中国新聞

アマスポーツNOW
学校
 第1部 部が消える 2 過疎化


過疎化
「後輩に野球部を引き継いで ほしい」と願いながら、練習 に励んだグランドに立つ久井 高3年の長岡君

団体競技の休部に拍車

 広島県御調郡久井町の久井高野球部は、三年生が抜け、部員ゼロになった。一万平方メートルもあるグラウンド。今はゴルフ部だけが部活動で使う。「こんなに広いのに、もったいないですよね」。卒業を控えた元野球部の長岡祐樹君は、思い出の詰まったグラウンドを見つめた。

 約十年前のピーク時には二百人前後いた生徒が、六十六人に減った。地元久井中の生徒の約七割が、三原市など都市部の高校に進む「進学過疎」もあり、生徒減が運動部にも影響。陸上も三年生の引退で部員がいなくなり、バスケットボール、ハンドボール、バレーボールも休止状態。現在はテニス、卓球、ゴルフの三部で部員は計十人余りに。

生徒の都市流出も一因


 野球部は一九九七年秋の地区大会を最後に、チームが編成できなくなった。長岡君らは昨年、二人になっても部活を続けた。「あと一年。ここまで来たら、最後までやり切ろう」。日曜日を除く毎日、ランニングやキャッチボールなど、二時間の練習に励んだ。何度も同級生を勧誘したが、入部を断られた。「野球が好きな生徒はいる。時には練習を手伝ってくれたけど、本格的にはやりたくないと言われて…」。

 学校側もしのびない思いを抱いてきた。大田良晴教頭は「近隣の学校とかと、合同で試合に出場できればと思っていた。何とかしてやりたかった」と打ち明ける。久井中には男女計十一の運動部がある。その受け皿となる久井高は部活が厳しい状況。大田教頭は「中学生の志望にも影響するのでは。運動部が活発になることが、学校の活性化にもつながるのだが」と複雑な表情を見せる。

 過疎に少子化が加わる山間地域などでは、団体競技はメンバーがそろわなくなっている。同県賀茂郡大和町の大和高(百人)でも、男子バレーボールなど四部が休止。残る五部のうち、女子バレーボールも四人になった。同県高田郡高宮町の高宮高(七十八人)では、二年間で男子バレーボール、女子バスケットボールなど七部が休部し、四部だけに。平原重治教頭は「十年くらい前は、五割以上が部に加入。体育館も奪い合いだった。今はアルバイトをする生徒も多いので…」と、時代の変化に戸惑う。

 同県比婆郡西城町の西城紫水高(九十一人)では、三年間で九部が休部。活性化策として、野球部を二十年ぶりに復活させ、サッカー部と合体。「夏は野球、冬はサッカー」という「季節部」設置を、二日の職員会議で決めた。

メモ≫広島県高体連の運動部加入者(全日制、31競技)を郡市別に集計すると、過去5年間の減少率は、豊田郡(5校)が52%、御調郡(3校)45%、比婆郡(2校)42%、佐伯郡(4校)と安芸郡(8校)がともに32%。島しょ部(9校)は45%となっている。市部は18%で、格差がある。


Menu Next Back