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学校
 第3部 指導者の現状 7 保護者教育


保護者教育
高校野球で選手のためにお茶を用意する保護者。「保護者の協力なしには、部活動の運営は難しい」という指導者は多い

距離間 生徒以上に難題

 「円滑な部活動の運営に、保護者の協力は不可欠」と言う声を、 運動部活動の指導者からよく聞く。しかし、保護者の部活動に対す る思い入れが過熱し、指導者とのトラブルが生まれる例も少なくは ない。
≪メ  モ≫
文部省スポーツ活動調査
(96年4-7月、全国の中学生10416人の保護者)
◆運動部活動で、子供に何を期待するか
人間的な成長48.4%
充実した生活19.9%
体力の向上20.2%
友達づくり5.5%
選手として活躍すること4.9%

 「もう少し、保護者とのコミュニケーションを取るべきだったと 思います」。中国地方のある小学校で、バレーボールを指導してい るA教諭(38)は、後悔を口にする。同小のスポーツ少年団は、昨夏 の全国小学校大会で上位入賞を果たした。しかし、保護者とのトラ ブルでその後、レギュラー四人を含む五選手が退部する事態になっ た。

 トラブルのきっかけは、十一月に行われる県のスポ少大会だっ た。A教諭は教育的配慮から控え選手で戦うことを決め、レギュラ ークラスと控えを分けた練習メニューを提案した。「戦力はダウン しても、これまで球拾いをしてくれた子どもたちに試合を経験させ てあげたかった」(A教諭)

 しかし、一部の保護者は、その方針に反発。練習に来なくなった 子どもと保護者に対し、A教諭は説得を続けたが、退部という最悪 の結末を変えられなかった。

親密過ぎればトラブル

 保護者との付き合いで、A教諭は過去に苦い経験をしていた。 「仲良くし過ぎて、父兄が練習方法や試合での選手起用に口を出さ れるようになりましてね」。以来、保護者とは、あえて距離を置く ようにした。

 実際、この一年間も父母には「親御さんは、わざわざ来られなく てもいいです」と、言い続けてきたという。「それが誤解を招いた のかもしれません。説明不足だったと思う。最後にチームが分裂す るような形になって、残念です」と、振り返る。

 広島県内の公立中で野球部の監督を務めるB教諭(41)は、保護者 教育の重要性を口にする。過去に、選手起用をめぐって、保護者か ら抗議を受けた経験を持つ。「親にとっては、自分の子供が一番か わいい。だから、言葉で説明しても、理解してもらえない」と言う B教諭は、保護者に対し、試合だけではなく練習も見に来るよう勧 めている。以後、保護者からの不平、不満は消え、逆に保護者のバ ックアップもあって、チームは中国大会にまで進出した。

 保護者との付き合い方について、広島市内の陸上指導者は言う。 「近すぎてもトラブルが起こるし、遠すぎると協力が得られない。 つかず離れずが理想だが…」。それは、多くの指導者にとって、生 徒指導以上に難しい問題でもある。


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