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 第4部 変わる部活 14 地域性を生かす


地域性を生かす
学校の前にある桂浜沖で、ダッシュの練習を繰り返す倉橋高カヌー部員

カヌー部創設 校内に活気

 地域に根付いた学校、特色づくり…。広島県安芸郡倉橋町の倉橋 高カヌー部は、最近の学校教育の方向性を先取りした形で、一九九 二年に創部した。「当時は生徒に落ち着きがなく、部活に入る生徒 も少なかった」。学校が知恵を絞り、活性化策として地域の自然 (海)を生かしたカヌーに目を付けた。

 幸運も重なった。全日本強化選手だった宮原千佳教諭(29)が創部 の翌年、新任で赴任。広島国体(96年)に向けた県の強化指定校に もなり、一気に盛り上がった。カナディアンペアでは九八年の国際 ジュニア大会で3位、全国高校選手権と国体でも優勝した。

 生徒数は九十二人。生徒減で運動部は、3競技に絞った。カヌー 部は毎年、同選手権や国体に出場。木村政吉校長(58)は、「今年、 同好会から部に昇格した陸上も、刺激を受けて頑張っています」。

 一年生の体育は、カヌーが必修。地元中学生への公開授業にも、 組み込む。町も六、七月に三回、カヌー教室を開催。宮原教諭や部 員が、近隣の小、中学生を指導する。教室をきっかけに、町外から 入学する生徒もいる。

社会体育とも連携図る

 部員十四人をまとめる白木正成主将(17)は「遊びながら楽しめ、 練習した後は達成感がある。いろんな人に良さを知ってもらいた い」と、魅力を話す。カヌー部員は生徒会活動の中心になり、保護 者もPTA活動に積極的に協力。校内に活気をもたらしている。

 江の川沿いの島根県邑智郡邑智町は、八二年の地元国体でカヌー 競技を開催した遺産を生かす。九一年にカヌー博物館を含む「カヌ ーの里おおち」を建設した。翌年には、B&G海洋センターが完 成。両施設が協力しながら、海洋クラブやカヌー教室などで幼児や 小、中学生への普及を進める。

 全国大会の出場選手には、町が費用の一部を補助する。毎年八月 にはツーリング駅伝大会を開き、県外チームも多く参加。カヌーを 町づくりの核に据える。

 邑智高カヌー部は、例年四、五人だった新入部者が今年は十一人 に増え、計二十二人になった。地元の中学生も部活に加わり、中高 連携に力を入れる。OBはカヌーの里でインストラクターを務め、 社会体育との連携も深める。

 顧問の二上英紀教諭(37)は「部活も学校の枠内だけでは、できな い状況。地域の支えが大きい。社会体育に委ねてゆくのが、時代の 流れでもある。そのための基盤はできている」


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