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 第4部 変わる部活 2 底辺拡大


底辺拡大
子どもからマスターズ選手までが世代を超え、競技を楽しむサタデー陸上

「末永く楽しむ」の動き

 スポーツの底辺が細る中で、一部のトップ選手や競技力向上に偏 った選手育成に疑問を抱き、生涯スポーツへのきっかけづくりを重 視する動きも広がる。

 「スポーツは、若い人や強い選手だけのものではない。末永く楽 しんでほしい」。五年目を迎えた広島市陸協の「サタデー陸上」 は、そんな思いから生まれた。毎月一回、学校が休みの土曜日に、 広島市の広島スタジアムで講習会を開く。
≪メ  モ≫
鳥取県の運動部活動実態調査
(1998年。数字は%)
◆競技団体との連携の必要性
 中学
顧問
高校
顧問
競技団体
理事長 
大いに賛成21.429.382.6
どちらかというと賛成49.750.013.0
どちらかというと反対26.418.44.3
大いに反対2.52.30.0

 参加料は一人二百円。7種目に分かれ、各種目に二人のコーチが 付く。毎回、二、三百人が参加。小学生から八十歳代まで世代を超 えて競技を楽しみ、交流する。その都度、好きな種目も選択でき る。「参加者同士も教え合う。子どもは年配者の背を見て育つ」。 発案者の光岡薫明さん(52)は、狙いを語る。

 光岡さんは以前、市内の中学校を指導に回った。初歩的な指導も できない顧問、用具の不足…環境の悪さを肌で感じ、講習会を思い 付いた。

協会、枠を設けず講習会

 指導者は、学校などの枠を超えて協力。教員や実業団を中心に、 五十一人が交代で指導に当たる。陸上経験のない学校の顧問も、引 率を兼ねて指導法を勉強する。長束中教諭の竹川雄一強化副部長 (36)は「生徒は部活で教えてもらえない専門的な指導が受けられ る。いろんな人の中で、刺激も受ける」と話す。

 日本の選手は少年時代から特定の競技、種目に専門化。視野が狭 く、燃え尽きやすく、競技人生が短命に終わるケースも多い。「ジ ュニアは世界でも強いが、大人になると勝てない。多種目をやり、 違った筋肉や頭のメカニズムを使うことで幅が広がる」と広島市陸 協の藤川若実理事長(66)。生涯スポーツの基本を身に着けることを 主眼に置き、クラブ化も視野に入れる。

 広島市卓球協会も六年前、小、中学生を対象にしたジュニアサー キット(年十回)を始めた。「レギュラーでない選手に試合の場 を」と、中学教員三十人が運営。毎回、県内の学校やスポーツ少年 団、クラブから、六、七百人が集まる。大会の少ない小学生には励 みなり、同じテーブルで中学生に挑む。庄原スポーツ少年団の山本 隆明代表(50)は「子どもは力に応じて目標が持て、伸ばしてやれ る」と、欠かさず参加する。

 安西中教諭の沢井巳喜男事務局長(38)は、言う。「強くなくて も、卓球の楽しさを知り、続けてくれる子どもを育てないと、先細 りになる。社会人になった時、交流を深める媒介として生きること もある」。愛好者育成の大切さを強調した。


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