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 第4部 変わる部活 5 合同部活の課題


合同部活の課題
危険が付きまとうラグビー。合同チームの試合出場には、各県で意見が分かれている

地域性や種目で温度差

 少子化による部員不足の救済策として注目される合同部活動。し かし、問題を抱えるすべての学校で、受け入れられている訳ではな い。地域や競技種目によっては、「現実的に難しいのでは」と多く の問題点も指摘されている。
≪メ  モ≫
文部省スポーツ活動調査
(1996年4-7月、全国の中、高校生22041人を対象。数字は%)
◆複数校の運動部が合同で活動することをどう思うか
【中学生】
賛成46.5
反対53.5
【高校生】
賛成54.5
反対45.5

 広島県北地域のある中学校では、野球とサッカー部がともに部員 不足でチームが組めない状態にある。大会への参加はおろか、満足 いく練習もできない。両部の顧問は隣町の中学校との合同部活動を 計画したが、実現には至らなかった。

 最大のネックとなったのが、練習場の確保だった。両校間の距離 は、直線距離にして約7キロ弱。どちらの学校で練習するにしても、 生徒移動の手段を考えなくてはならない。バスを利用すれば、過疎 地域だけに便数が少ないため、移動するだけで部活動の時間がほと んどなくなる。

場所・時間の調整が壁

 そこで、両校の中間地付近に練習場を探したが、適当な場所は見 つからなかった。「移動距離が長くなれば、安全性の問題も出てく る。部員不足は山間地域の方が深刻だが、合同部活動が活用できる のは都市部の学校だけでしょう」と、野球部顧問は言う。

 鳥取県の岩美高ウェイトリフティング部は二年前、隣接する岩美 中と合同部活動を開始。高校の道場で、一緒に練習を行っていた が、活動はわずか二カ月しか続かなかった。

 「学校行事などで、練習日程の調整が出来なかった」。当時、岩 美高の顧問だった前川章三さん(41)は振り返る。中学生が練習出来 る日に高校に行事が入っていたり、逆に高校生の練習日に中学生の 試験が入っていたり。

 両校の顧問も校務で練習に出られない日もあり、定着するまでに 至らなかった。「どちらかの顧問が、常に練習に出られるような環 境づくりが必要だった」。顧問同士の連携の大切さを痛感したと言 う。

 合同チームの試合参加にも、厳しい声はある。高体連の正式競技 の中で、最も多くの人数を必要するラグビー。広島県ではすでに合 同チームの参加が始まっているが、山口県ではまだ専門部での検討 段階にある。

 中村竜夫専門委員長(47)は「特に危険が付きまとう競技なので、大会の日だ け集まって試合をするのは難しい。合同練習を組むにしても、練習 中のけがに対する補償の問題がある」と言う。地域性と競技性。普 及に向けてのハードルは、決して低くはない。


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