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 第4部 変わる部活 6 合体部


合体部
三次地区高校総体の野球で、公式戦デビューした西城紫水高のチーム

掛け持ち「大会出たい」

 生徒減でチーム編成ができない小規模校は、部活の共倒れを防 ぎ、大会出場への道確保に知恵を絞る。

 広島県比婆郡西城町の西城紫水高(百九人)には三月、中国地方 でもユニークな「グラウンド部」が発足した。二十五年ぶり復活し た野球部とサッカー、陸上の三部を合体。サッカーと野球の部員は 掛け持ちで練習し、合同で大会に出場する。競技時期も考え、夏は 野球、冬はサッカーに重点を置く。

 昨年、生徒の希望で自主活動としてスタートした野球は部員六 人。サッカーは三人だった。野球の渡辺浩志主将(17)は「試合がで きないので、練習も気分が乗らなかった」。サッカーの小林修主将 (16)も「走ったり、シュート練習をするだけだった」と振り返る。

少子化 生徒集めに知恵

 野球の部昇格には、生徒総会で異議が出た。「部員が足りない 」。顧問の田辺輝満教諭(52)らは思案を重ねた。「兼部にすれば九 人、十人になる。試合の時は協力し合おう」。職員会議でも承認さ れ、新入生を加えた四月から、3競技計二十二人で活動を始めた。

 過疎、少子化による学校の統廃合問題も背景にあった。地元西城 中から入学して来る生徒は約半数。田辺教諭は「野球がやりたい中 学生は町外に出ていた。学校存続には生徒数が必要で、中学生が高 校を選ぶ目安は部活。『学校に魅力を』という町の要望もあった」 と言う。部活の活性化を地域も支援した。ビニールハウスの雨天練 習場設置では、鉄パイプを分けてもらい、打撃ケージは材料費だけ で作ってもらった。

 部合体には、教員側のメリットもある。従来は、一つの部に顧問 二人を付けていたが、「教員も減る中で、三つの部を五人で見れ ば、指導、引率も楽になる」。部費もグラウンド部として、弾力的 に使える。

 今月初めの三次地区総体では、野球部員がサッカーに出場。翌日 の野球にはサッカー部員を含めた十七人がベンチ入りした。エース 渡辺主将がサッカーでわき腹を痛めたのが響き、公式戦デビューは 無安打無得点の五回コールド負け。「みんな緊張して硬くなってい た。本塁が遠かった」。渡辺主将は試合ならではの悔し涙を流し た。サッカーの小林主将は「野球のユニホームを着るのは複雑な気 分だけど、いろんな競技ができ、友達もできる」。

 教員と生徒、地域の熱意で生まれた合体部。「学校存続への思い がうまくかみ合っている。エネルギーを感じる」。立原征士校長 (56)は、スタンドから温かい視線を注いだ。


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