
| アマスポーツNOW |
|
第5部 組織と周辺 3 | 体力低下 |
|---|
|
| 6年生と1年生がペアを組んで遊ぶ可部小の「わくわくタ イム」 |
| 運動嫌い 遊びは家の中 |
|---|
放課後の美鈴が丘小グラウンド。遊び回る児童はほとんどいな い。「昔は場所の取り合いでしたがねえ」。藤本法生教諭(40)は閑 散とした風景を見詰め、寂しそうにつぶやいた。
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
昨年、同小が実施した体力テストでは、五十メートル走やソフト ボール投げ、反復横跳びで、ほとんどの学年が五年前の平均値を下 回った。「ボール投げで、右手と右足が一緒に前に出る子も少なく ない。最近は家の中で遊ぶことが多く、体の動きを遊びの中で学習 できていない」。塾や習い事などで、遊びたくても仲間がいない現 状も指摘する。佐々木隆宏校長(55)は「異年齢間の遊びが少なく、 遊び方も分からない。リーダーも育っていない」と話す。スポーツ 少年団などで運動している児童は、記録的に向上しているが、「で きる子、できない子の差が激しい」(藤本教諭)。体力の二極化が 進んでいる。
広島市の運動能力テストの集計でも、一九八八年と九八年を比較 すると、六年生の走り幅跳びは、男子が23センチ、女子は14センチ低下。ソ フトボール投げでは、男子が2・8メートル、女子が2・7メート ル下回った。斜めけんすいは、男子が3・4回、女子は5・7回減 った。
| 体育の授業 工夫が必要 |
|---|
全国的にも低下に歯止めがかからない状態。二〇〇二年から学校 週五日制に移行すると、小中学校の保健体育授業は、現在の年間百 五時間から九十時間に減少。藤本教諭は一層の運動不足と体力低下 を懸念する。
広島市安佐北区の可部小は、子どもたちをグラウンドに呼び戻す ために、工夫を凝らす。週三回、始業前の十分間、長なわ跳びやボ ールゲームで体力づくり。五年前から週一回、「わくわくタイム」 も設けた。「思い切り遊ばせてやりたい」と、昼食後の掃除をや め、昼休憩を二十五分から四十五分間に延長する。
ドッジボールやバスケットボール、縄跳び…。六年生は一年生と ペアを組んで遊ぶ。やんちゃな後輩に六年生は手を焼く。「けられ たり、ボールをぶつけられたり。いじめられる日ですよ」。ぼやき ながらも、ゲームの仕方などを教え、兄や姉のように面倒を見る。 片岡俊宏校長(57)は「人間づくりに役立つし、ストレス発散にもな る。生涯スポーツにつなげる意味でも、体を動かす楽しさを教えた い」と力を入れる。
広島県教委スポーツ振興課も、運動嫌いが増えている現状を憂 慮。「いかに好きにさせるかが一番の命題。子どもたちが楽しみに するような、体育の授業を作る必要がある」と話す。