
| アマスポーツNOW |
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第5部 組織と周辺 4 | 変わる体育 |
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| 選択教科の体育で、ターゲットバードゴルフを楽しむ広島市内の中学生 |
| 楽しさ一辺倒に限界 |
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スポーツ離れや体力低下が進む子どもたち。学校体育は、運動へ の関心や意欲を高める工夫が求められている。学校完全週五日制に 向けた学習指導要領改訂では、児童、生徒の発達段階や個に応じた 指導の充実を狙い、「運動の楽しさや喜びを味わい、生涯を通じて 運動に親しむ態度を育てる」という目標を掲げる。
選択教科の体育では、ニュースポーツを導入する動きが広がる。 中国地方でも、グラウンドゴルフやペタンクなどを取り入れる中学 が増え、生徒と教員が一緒に、遊び感覚で汗を流す。競技・種目の 選択履修でも、生涯スポーツへのきっかけづくりとして、苦しさを 避け、「楽しい体育」が強調される傾向にある。
広島女大の中瀬古哲助教授(42)=体育科教育=は「『生徒を追い 込んで運動嫌いにさせるよりは』とか、『受験勉強の息抜きに』と いう面もある。楽しむだけの薄っぺらなものだと、上達しないので 生徒も長続きしない。人格形成にとっても不幸」と、危険性を指 摘。文部省体育局も「安易に解釈されては困る。楽しむだけでな く、スポーツの背景や歴史的発展など、工夫した高水準の授業を求 めている」と、言う。
| 能力引き出す工夫必要 |
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技能習得に偏る日本の体育では、児童、生徒は運動能力中心に評 価される。「授業で習得されたものだけならいいが、部活などで得 た能力、技術で評価している。だから、子どもたちも理不尽に思 う」と中瀬古助教授。五十メートル走を例に挙げ、タイムだけでな く、足跡を取って真っすぐに走れたとか、多面的な評価基準の必要 性を訴える。
元広島大教授の中村敏雄氏(70)=スポーツ学=は、体育の意義を こう話す。「実技で汗をかくのはスポーツ。どうすれば上達するの かを学ぶのが体育で、水泳で腕の推進力を調べるために泳ぐという のが実技」と言う。野球が九人でプレーする理由など、自然科学や 文化的視点を含めた総合的な授業を求める。
矢野南小(広島市安芸区)の中本雄一教諭(33)は、前任校で児童 にやりを竹で作らせて授業。握りの位置や投げ方による飛びの違い など、競技のメカニズムや発達史を教えた。「(力のない)意外な 子どもが遠くへ投げた。(技能中心の)今の授業では、児童は早い 段階から自分の力に見切りをつけ、可能性を引き出すことにならな い」
中瀬古助教授は言う。「楽しむ体育では、教員の誇りもなくな る。スポーツに対する自分のスタンスを持ち、授業内容を開発する 気持ちを持たなければいけない」と、意識改革を促している。