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 第1部 部が消える 5 競技間格差


競技間格差

「痛い」「きつい」は敬遠

 宇部西高の体育教官室。山口県高体連の山根知彦柔道専門委員長は、切羽詰まった表情で切り出した。「十年前には定時制を含め、千百人の部員がいた。今は五百人。ここ四、五年どんどん減っている」。男子は過去五年間で11校の部が消えた。教員の採用減で、指導者不足も深刻。「専門に指導できる教員は、二十歳代では一人。大会運営でも審判が足りない」と、将来に不安を募らせる。
≪メ  モ≫
全国の競技別部員数(本年度の全国高体連などのデータを基に集計。単位は人)
 【多い競技】バスケットボール172807▽サッカー(男子)157251▽硬式野球143977▽バレーボール124826▽陸上102112▽テニス94535▽バドミントン86613
 【少ない競技】ヨット1555▽相撲1597▽スケート1786▽重量挙げ(男子)1846▽なぎなた(女子)1848▽自転車(男子)1921▽フェンシング2532

 昨年十二月にあった剣道の全国選抜大会山口県予選(団体戦5人)。男子は部のある62校中38校、女子は54校中29校の出場にとどまった。青木寛専門委員長は「四、五年前までは、男女の団体戦で100校は集まっていたのに…」と嘆く。山根委員長は武道離れの原因をこう説明する。「球技と違って、痛い、きつい、礼儀にも厳しい。親が子をしつけていないので、うるさく言うと駄目な子が多い」

 中国地方の高校の生徒数は、八九年度の三十六万九千人から、本年度は二十七万六千人(二五・二%減)になった。競技別部員数では、八九年度に比べ、体操、相撲、自転車が五〇%台の減。重量挙げ、レスリング、登山、ラグビー、柔道男子も四〇%台の減少を示し、計17競技が生徒減の比率を上回る。日本のお家芸だった器械体操男子は、山口、島根両県とも部員は三十人台になった。

「派手」な球技に人気集中

 鍛錬が求められる競技や、汗や泥にまみれてぶつかり合う「青春ドラマ」は、受け入れられなくなってきた。広島県の西亀正文ラグビー専門委員長は「打開策がない。このままでは一部の学校しか部が残らないのでは」と危ぐする。

 「生徒は派手で、格好いい競技に流れる」(ある顧問)。競技間の格差も広がる。中国地方のサッカー、バドミントンは部員が増加。バスケットボール、弓道も四%減にとどまる。部員数ではサッカー、バスケットボールが一万人以上。硬式野球も九千人台を維持する。

 部員不足により、試合形式を見直す動きも出てきた。剣道の中国高校選手権の団体戦は、昨年から三人での出場を認めた。卓球の全国選抜大会の団体戦(4シングルス、1ダブルス)も今年、四人から三人のチーム編成に変えられた。

 登山女子で四年連続十一度のインタハイ出場を誇る高陽高は、月例登山にカヌー教室を組み込む。「生徒が楽しいと思うことも考えてやらないと」。顧問でもある綿井洋専門委員長は、魅力アップに腐心する。


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