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10 クラブ化の現実


クラブ化の現実
スーツ姿で営業活動をする日光バックスの八木選手(左)

運営費調達に四苦八苦

 企業の後ろ盾を失ったチームにとって、残された選択肢が「休、 廃部」だけとは限らない。独立採算の組織にする「クラブ」化で、 チームを維持するという手段もある。実際、野球、バレーボールな ど数チームがすでに実践しているが、スポンサー集めに困るなど、 その運営は決して容易ではない。

 アイスホッケー日本リーグの日光アイスバックス(栃木県日光 市)に所属する選手は、オフシーズンの四月から、スーツ姿で営業 活動を続けている。広島市中区出身の八木啓二選手(32)も、七月上 旬に古里に帰り、スポンサーやファンクラブの会員集めに奔走し た。「営業活動費もなく、すべて自腹を切っている。しかも我々は 専門家ではないので限界がある」。慣れないセールスを、そういっ て苦笑した。

会員集めもままならず


 日光バックスは、親会社だった古河電工の撤退によって一昨年、 運営会社(栃木アイスホッケークラブ)を法人化し、クラブチーム として生まれ変わった。「市民が支える市民チーム」という高い理 想。しかし、地元にこだわったことが逆に、チーム運営を圧迫する 結果を招いた、と八木選手は見る。「日光市の人口は一万八千人、 この圏域だけでチームを支えるのには無理があった」

 一九九九年度のチーム総収入は約一億三千万円。総支出は一億五 千万円で約二千万円の赤字だった。しかし、この数字には古河電工 側が負担した社員選手の人件費、リンク維持費が含まれておらず、 それらを加えると実際の赤字は一億五千万円にも上る。「今季の運 営費は、最低でも三億円は必要。集められなければ、アイスホッケ ーを続けられない」という。

 しかし、景気の低迷もあり、スポンサー集めは難航。運営費の調 達はめどが立っていない。「栃木の企業ということで、地元以外の スポンサーが付きにくい。日光市はともかく、まだ県内でも支援体 制が完全ではない」。地域のチームを地域が支える。理想と現実の ギャップは予想以上に大きかった。

 七月に古河電工リンクの閉鎖が決まり、事務所と部室を失った。 練習場も満足に用意できない状態にある。「昨年は給料ダウンの 中、みんなで頑張った。しかし、廃部を乗り切った先には、より厳 しい現実が待っていた」。クラブ存続へ。八木選手らの前には、い ばらの道が続いている。


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