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14 競技団体の模索


競技団体の模索
富山国体夏季大会の広島県選手団。県体協は今後の選手育成に向け、学校・企業などの連携を模索する

学校・企業依存 脱却へ

 学校と企業に依存してきた選手育成。全国や地方の競技団体は限界を認め、新しいシステムの構築へ動き始めた。

 日本オリンピック委員会は、文部省の委嘱を受け、一九九八年か ら五カ年計画で一貫指導のプログラムづくりを進める。競技団体ご とに理想のアスリート像を描き、「何が必要なのか」を見極める作 業から着手。種目や男女などの特性に合わせ、発掘から、育成、強 化、支援(選手生命の長期的維持)、アフターケア(引退後の生活 保障)までを含めた内容にし、現場指導者の教科書にする。

 選手強化本部の市原則之副本部長(58)=湧永製薬=は「個人企業 の投資では、韓国、中国のような国家的投資には勝てない」と、ナ ショナルトレーニングセンターの必要性を訴える。優秀な指導者の 養成も課題。二十一世紀対策室の高橋勝馬室長(55)は「ナショナル アカデミーがほしい。引退したトップ選手がそこで学び、経験を生 かして後進を指導できるようになれば」と、職業としてのコーチ制 度の確立を目指す。

 通産省は二月、スポーツ活動に積極的な大手企業十二社の幹部を 集め、「企業スポーツ懇談会」を設置した。福利厚生などの伝統的 な位置付けを見直し、「スポーツとビジネス」の視点から、経営の 国際化に対応した新しい方向性と仕組みを模索する。

一貫育成の新機軸必要

 日本陸連は、五輪マラソン代表の市橋有里らの成功を元に、一選 手一企業のスポンサー方式への転換を図る。「丸抱えでなく、選手 一、二人なら企業にも支援してもらえる。指導はすべて陸連がやれ ばいい」。小掛照二副会長(67)は、四年後のアテネ五輪をにらみ、 対策を練る。

 地域のスポーツ振興を担う日本体協も、現状を深刻に受け止め る。岡崎助一事務局長(55)は「企業の休、廃部は、県レベルで国体 選手を育成できないという問題が出る。学校と企業に頼っていて は、将来の展望は開けない」。複数企業のサポートによる地域クラ ブへの転換など、「別の軸を作らなければ」と言う。

 広島県体協は四月、育成・強化策などを立案する企画委員会を新 設。指導者不足などで衰退する学校の部活と、地域、企業の連携を 目指し、知恵を絞る。大野徹専務理事(46)は「学校が完全週休二日 になれば、生徒のスポーツ活動は地域に頼らざるおえなくなる。地 域指導者の組織化が必要になり、企業チームにも協力してもらいた い」。体協特別会員の地元企業百七十六社の支援をリンクさせ、 「互いに活用し合えるネットワークを作りたい」と、態勢づくりを 急ぐ。 (アマスポーツ取材班・山中裕文、小西晶)


企業編おわり

 十月初めからは地域編を連載。二部に分け、公共施設や地域クラ ブなど運動環境の課題や、高齢化社会に向けた新たな取り組みを紹 介する。


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