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社員選手


社員選手
西日本社会人リーグ優勝に向け、練習に励むマツダラグビー部。仕事と練習の両立に悩む選手も多い

仕事との両立に苦労

 仕事は免除され、競技だけやっていれば給料がもらえる。そのよ うな「セミプロ」的な待遇を受けているのは、一部のトップチーム だけ。多くの選手は、仕事と競技の両立に苦労している。「競技を 続ける上で一番の悩みでしょう。ある程度の年齢になると、責任も 出てくるから」。マツダラグビー部主務の渡辺久修さん(38)は、選 手の思いを代弁した。

 チーム最年長の木戸充選手(34)は、入社十一年目。本社マーケテ ィング本部に勤務する。週三日は定時まで働いた後、筋力トレーニ ング。合同練習のある火、木曜日は、午後三時で仕事を終えてもい い取り決めになっている。「どれだけ仕事の効率を上げて、練習す る時間をつくるか。しかし、なかなかうまくはいかない」。新車の 導入を控えた三、四月には、一度も練習に参加できなかった。

 「入社して間もないころは、なぜ先輩が練習に出てこないのか不 思議だった。同じ年齢になって分かりました」。昨年まで主将を務 めた永野裕士選手(30)は苦笑する。もっと練習する時間が欲しいと も思う。しかし、そのために仕事を犠牲にはできない。「僕らはプ ロじゃない。ラグビーをやめた後の人生のほうが長いんです」。社 員であることの自覚と競技者としての思いが、複雑に交錯する。

「会社の戦力」まず胸に


 広島銀行女子バスケットボール部は選手全員が広報文化部の所属 し、各支店に勤務している。練習のため、定時より早く職場を離れ るが、選手の仕事量は年々増えているという。「採用数が減り、支 店の人数も減る中で、社員一人当たりの負担も当然増える。仕事面 でも、会社の戦力でなくてはならない」と、白石和男監督(57)は力 説する。

 丹生谷香選手(24)は、入社三年目。今年からチーム最年長選手と なった。「入ったばかりの時より、忙しいとは感じます。任される 仕事も増えてきているし」。リーグに参戦するチームの半分近く は、セミプロ状態にある女子バスケット界。トップを目指すには、 練習量が根本的に足らない。それでも、今の環境に不満は感じない と言う。

 「ぜいたくを言えばきりがない。その状況でどれだけ戦えるか。 それでいいと思う。引退したら、私たちは仕事をするために会社に 残るわけだから」。アマチュアである以上、競技だけは追えない。 それが社員選手の共通の思いであり、悩みでもある。


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