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休・廃部と地域


休・廃部と地域
日新製鋼の指導で実力を付けてきた徳山大ラグビー部。廃部の影響は大きい

底辺の拡大に大きな影

 企業チームの休、廃部は、その影響を社内だけにとどめない。実 業団チームは、地元スポーツの中核的存在になっているケースが多 い。チーム消滅は地域のスポーツ振興にも大きな影を落としてい る。

 「ショックでしたね。山口県のラグビーといえば、日新でしたか ら」。県協会理事で、徳山大ラグビー部の藤井一利部長(53)は振り 返った。昨年二月に新南陽市の日新製鋼ラグビー部が廃部。西日本 リーグの強豪チームの消滅は、県内のラグビー関係者に大きな衝撃 を与えた。特に、日新と関係が深かった徳山大にとっては、チーム 運営にかかわる出来事だった。

 徳山大ラグビー部と日新との付き合いは、一九九二(平成四)年 に日新から浪江成泰現監督をコーチとして招いた時から始まった。 以後、週二回は日新のグラウンドで合同練習、週三回は大学で選手 から指導を受けてきた。「日新さんからすべてを学ばせてもらって いた」と藤井部長。徳山大は昨年、一昨年と全国地区対抗大学大会 を連覇するまでに実力を付けた。

 現在は、日新を通じてつくったパイプを生かし、九州の実業団チ ームと合同合宿などを続けている。その恩返しにと、日新が行って きた県内の高校生の合宿指導を、今夏から徳山大が引き継いだ。 「日新抜きの態勢を整えないといけないが、なかなか難しい。それ だけ大きな存在だった」。藤井部長はため息をついた。

「競技の伝承」願い結束

 呉市の日新製鋼ハンドボール部は、二年前に会社の方針で日本リ ーグ撤退が決まった。しかし、その後も有志がチームを存続させ、 活動を続けている。「リーグ復帰という夢があることはもちろんだ が、うちのチームがなくなると、子どもたちの夢や受け皿がなくな ってしまう」。湯中勝総監督(47)はチーム存続の意義を説明した。

 日新はリーグに参戦している時から、地域の中学生を対象とした 「ハンドボール教室」を続けている。現在は年十二回。「リーグ徹 退後のほうが、かえって地域とのつながりは深まったと思う」と、 湯中監督は苦笑する。中、高校生への指導や合同練習もする。すべ てが、リーグ参戦時には、やりたくてもできなかったことばかりで ある。

 「技術を次の世代に伝承し、競技人口の底辺を広げていく。それ は企業スポーツの使命。そのためにも、チームの火を消すわけには いかない」。湯中監督の思いは、地域のハンドボール関係者の願い でもある。


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