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 第1部 現状リポート 1 受け皿不足


週末の施設は飽和状態

 二〇五〇年、国民の三二・三%を六十五歳以上の高齢者が占める 超高齢化社会を迎える。国民の健康維持と、三十兆円(昨年度)に 及ぶ医療費の削減が国家的な重要課題となり、生涯スポーツの普及 が叫ばれる。
≪メ  モ≫
レジャー白書2000(自由時間デザイン協会)
◇仕事と余暇のどちらを重視するか(数字は%。無回答を除く)
 94年99年
余暇重視派32.734.7
両 立 派28.330.5
仕事重視派38.733.4
◇スポーツ部門の参加人口(数字は万人)
体操(器具不使用) 3110
ボウリング 3030
ジョギング・マラソン 2430
水泳(プール使用) 2040
釣り 1810
キャッチボール・野球 1590
サイクリング・サイクルスポーツ 1360
トレーニング 1330
ゴルフ(練習場) 1280
スキー 1210
ゴルフ(コース) 1160
バドミントン 1160
卓球 950

 山口県教委が昨年、二十歳以上の県民を対象に実施した「スポー ツに関する意識・活動調査」(七百二十六人が回答)では、八一% が「運動不足」を感じ、五五・六%が「体力に自信がない」と答 え、健康面での不安をうかがわせた。

 国民の年間総労働時間は、過去十年間で二百四十六時間減少。余 暇の増加や健康志向の高まりで、週一回以上運動をする人は、文部 省の推計で一九八八年の二六・三%から、九七年には三四・七%に 増えているが、欧米各国の五〇%台には及ばないのが現状だ。

クラブ参加 閉鎖性が壁

 ニーズも多様化している。広島市大の荒井貞光教授(55)=スポー ツ社会学=は「今は一人が多種目を楽しむ時代。目的も健康、仲間 志向などがミックスされている」とマルチ化傾向を指摘。通産省外 郭団体の自由時間デザイン協会は「従来はゴルフなど、金のかかる ものに関心があった。今は身近で繰り返しできるものにシフトして いる」。

 受け皿となる体育・スポーツ施設は、増える需要に応じ切れてい ない。全国二十五万八千カ所(文部省の九六年調査)のうち、公共 施設は六万五千カ所で、「週末に需要が集中。環境が整わず、余暇 を疎外している面がある」(同協会)。

 広島県教委の調査によると、公共の屋内施設の利用率は、県内二 十五市町で九〇%以上に達し、沿岸の都市部を中心に週末は飽和状 態に陥っている。びんご運動公園(尾道市)の堂本和昭事業課長 (51)は「日祭日は大会で埋まり、体育館は個人利用ができない状 況」と、対応に苦慮する。

 学校施設の開放では、中国地方の小、中学校は、体育館、運動場 ともほぼ九〇%以上の開放率を示しているが、使用は地区体協の登 録団体などに限られ、個人利用は難しい状況だ。

 全国で推計三十五万の地域クラブも、九四%が単一・競技種目 で、仲間同士の形態が多く、参加者が固定化。岡山大の大橋美勝教 授(57)=スポーツ社会学=は「チームの和を大事にするから、周り から見ると入りにくい」と閉鎖性を指摘する。

 文部省は二十一世紀に向けた振興基本計画で、「だれもが、いつ でも、どこでもスポーツに親しむことができる生涯スポーツ社会の 実現」を掲げる。二〇一〇年までに全国の市町村に、多世代が多競 技・種目を楽しめる総合型地域クラブの設置を目指しているが、理 想と現実のギャップは大きい。

受け皿不足



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