中国新聞

アマスポーツNOW
地域
 第2部 総合型クラブ 10 多様化する形態


大学施設を市民に開放
多様化する形態
地域との交流を狙いに、地元大塚小の児童を招いて開かれた広島市大陸上部の記録会

 総合型のクラブづくりには、多様なパターンが考えられる。大学 の開放や企業チームの連携、競技団体などによる方法を模索する動 きも出ている。

 広島市安佐南区の広島市大。体育館やグラウンド、テニスコート など、運動公園並みの施設がある。「土、日曜日は空いた時間も多 い。市民に開放できればいいのですが…」。陸上部顧問で国際学部 講師の曽根幹子さん(48)=体育経営管理=は、大学施設を利用した 総合型への可能性を探る。

異競技連携の試みも

 陸上部は十月、「地域との交流を広げよう」と、地元大塚小の児 童四十人や他校の学生を招き、記録会を開いた。百mと走り幅跳 び、走り高跳びなどの7種目で、大学生らが記録を測り、児童は歓 声を上げながら記録に挑んだ。社会人選手の模範演技では、目を丸 くして見入った。

 「市民に理解されない大学では、地域から見放され、活気もなく なる」と曽根さん。学生が主体的に地域とかかわる「大学型」のク ラブづくりを提唱する。

 埼玉県所沢市では、早大の施設を拠点にした総合型クラブが生ま れた。昨年、スポーツ科学科の教授らが、市に働き掛け、大学の有 志と住民が一体となってモデル事業に取り組む。

 会員募集では六万世帯にパンフレットを配り、個人会員六百人、 家族会員四百世帯が加入した。事務局は大学内に設置。学生が施設 を使わない時間帯に活動する。教授らもボランティアで運営、指導 に加わり、学生も補助員を務める。広報担当の木村和彦教授(43)は 「目に見える形で地域とつながり、貢献できれば」。今後は、学生 の教育実習や社会科学的な研究の場としても生かす。

 異競技の企業チーム・団体が連携する「トップス広島」も、地域 の青少年育成などを目標にする。十月末、広島経済同友会が開いた スポーツシンポジウムでは、多企業の支援によるクラブづくりと、 選手育成の可能性が提言された。

 日本リーグのトップ選手や指導者など、豊富な人材を抱えるトッ プス広島。総合型クラブとして、子どもたちを指導できれば、波及 効果は大きい。参与でかかわる県ハンドボール協会の山下泉会長 (64)は「スポーツ好きの子どもを増やすことができ、適性を見て、 いろんな選手を発掘できる」と期待する。

 広島市陸協は、各区に多世代型のクラブ(協会)づくりを考え る。少子化で競技人口は減る一方。藤川若実理事長(67)は「今やら なければ立ち遅れるのでは」。将来的には他競技との連携も視野に 入れる。二十一世紀の新しいスポーツの仕組みを探る試みは、着実 に広がっている。 =おわり=


Menu back