
| アマスポーツNOW |
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第2部 総合型クラブ 1 | 理想像 |
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| 競技力偏重から脱皮 |
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「地域スポーツの夜明けですよ」。みつやの里スポーツクラブ (広島県高田郡吉田町)の新本正則会長(71)は、文部省のモデル事 業で総合型クラブの育成に取り組む意義をこう表現した。欧州のク ラブを手本に、「だれもが、いつでも、どこでも、好きな競技を楽 しめる」環境づくりを目標にする。明治以来、競技力向上に偏った スポーツ界の仕組みを大転換させる狙いがある。
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文部省は九月、二十一世紀に向けた振興基本計画を発表した。重 点施策として、二〇一〇年までに全国の市町村に最低一カ所、総合 型クラブの設置を目指す。モデル事業は一九九五年にスタート。年 間千三百万円の事業規模を限度に、国が三年間、半額を補助する。 既に全国で六十四市町村、中国地方では十二市町が事業を実施。将 来は住民による自主運営を目指す。
総合型の推進には、二つの背景がある。学校は二〇〇二年から完 全週五日制に移行。土、日曜日のスポーツ活動の受け皿づくりが急 がれる。高齢化が進む地域でも、健康づくりや多様化するニーズへ の対応が求められている。
| 健康づくり・活性化狙う |
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同省生涯スポーツ課の坂元譲次専門官(47)は「総合型はスポーツ を媒介に、元気な社会をつくるためのもの」と強調。住民の主体性 を生かし、地域コミュニティーの回復と活性化を狙う。
体協や競技団体にも、意識改革を求める。「『みんなのスポー ツ』に消極的で、住民が見えていなかった。閉ざされた学校も地域 に一歩を踏み出し、教員も知識や技能を生かしてほしい」と、連携 を呼び掛ける。
高い理想とは裏腹に、現実は厳しい。本年度からモデル事業を始 めた広島県山県郡豊平町は十月、町体協の役員会で趣旨を説明。文 部省が制作したビデオで、フランスやドイツのクラブを紹介した。 各種競技施設やクラブハウス、レストランが整備され、地域交流の 場として多世代がスポーツを楽しむ姿に、「夢のような話じゃの う」とため息も漏れた。
欧州のクラブは五十年、百年をかけ、住民自らが熟成させてき た。日本は学校、行政主導でスポーツ教育や振興が図られ、住民は 受け身だった。日本生涯学習総合研究所の富永倫彦事務局次長(54) は「(主体性など)社会教育が未成熟な中で、同じものが機能する かどうか疑問」と言う。
尾道短大の平松携教授(56)=スポーツ社会学=は「欧州でクラブ が発達したのは、日照時間が短く、運動をしないと病気になり、健 康が守れない風土もある」と指摘。土壌が違う日本に、どう根付か せるのか課題は多い。