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 第2部 総合型クラブ 2 自主運営


費用・場所確保に苦心
理想像

 総合型の育成モデル事業は市町村主導でクラブを設立し、三年間 の国の補助期間が終了した後は会員の自主運営を原則とする。前例 の乏しい中でスタートした先発組は、組織づくりや運営費の確保な ど難題に直面している。

 広島県安芸郡熊野町は一九九六年、「筆の里スポーツクラブ」を 旗揚げした。現在は町民体育館を拠点に、ニュースポーツなど十九 教室を中心に約五百五十人の会員が活動する。
≪メ  モ≫
広島県の地域スポーツクラブ実態調査(99年度、県教 委)
◇総合型地域クラブ移行への課題(複数回答、数字は%)
行政を含めた関係団体などの推進体制の確立 50.2
拠点となる活動施設の確保48.1
設立の核となる人材47.8
既存クラブの理解と協力40.6
運営資金の確保38.0

 同町では、総合型が狙いとする地域の既成団体や活動を一本化で きなかった。会員になるメリットなどの問題もあり、体協やスポー ツ少年団は別組織のまま。会員数は横ばいで、中高年が約七割を占 め、広がりを欠いている。

 会員増がなく、運営費でも苦境に立つ。二千円だった年会費を、 昨年から四千円に値上げ。約二百五十万円の収入はあるが、用具の 購入費や指導者への謝金などで大幅に不足している。苦肉の策とし て会費を町の会計に繰り入れ、県の補助金と町費を含めた五百万円 をあらためて運営費として支出。「町営クラブ」の状態に陥ってい る。

 町教委スポーツ振興係の熊野孝則主任主事(33)は「行政が手を付 けたものだから…。事務局も町の職員が担当。会員にも、まだ行政 への依存心がある」と悩む。

 会員も、仲間同士でグループ化する傾向。技術差も生まれ、「新 しい人が溶け込めず、会費を払って一、二回でやめる人も多い。教 室の卒業生がチームを作っても、活動場所の確保も難しい」。運営 を会員にゆだねるめどは立たない。

行政の下請け化も懸念

 新南陽市も九六年、クラブを設立。各種教室を通じて、グループ の育成を進めた。現在は「市レクリエーションスポーツ推進委員 会」の名称で、小学校施設を拠点に四地区で活動する。百二十八団 体、約三千人が登録。市教委スポーツ振興課の森脇誠治課長補佐 (50)は「高齢者や主婦などの掘り起こしになった」と話す。

 一定の成果は挙げたが、クラブは単一競技を楽しむグループの集 合体。相互交流はほとんどなく、指導者も少ない。年会費も当初か ら保険料だけ。「行政の事業に金を取ることに抵抗があった。市民 に関心を持ってもらうため、無料にせざるを得なかった」

 モデル事業終了後は、同スポーツ振興課の予算で教室の開催や指 導者を派遣。「このままでは、クラブは行政の下請け。住民のもの にならない」。自主財源の確保や地区のコーディネーター、指導者 の育成など、再構築に迫られている。


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