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地域
 第2部 総合型クラブ 3 都市の苦悩


行政主導 浸透に限界
都市の苦悩
岡山市総合文化体育館で行われている「市地域スポーツクラブ」。市民への浸透度はいまひとつ

 総合型クラブのモデル事業は、町村など小さな地域単位では順調 な運営も報告されている。人口十万人以上の都市部になると、「難 しい」「思うようにはいかない」といった声が多くなる。

 人口約六十二万人の岡山市がスタートさせたのは、一九九六(平 成八)年だった。三年間の事業を終え、市の単独事業としてクラブ 運営を続けているが、「正直言って、状況は非常に厳しい」と市教 委スポーツ振興課の正本巧也指導主任(43)は頭を抱える。
≪メ  モ≫
文部省の総合型地域スポーツクラブ育成事業を実施して いる市町村の人口分布(全国64自治体対象)
1万人以下11例3万-10万14例
(17.1%)(21.9%)
1万-2万19例10万以上12例
(30.0%)(18.8%)
2万-3万8例
(12.5%)

 中心は「広域スポーツクラブ」だった。市内を六地区に分け、そ れぞれクラブを設立。広域的に参加者を集め、実施する予定だっ た。しかし、実施段階で六地区分割が見直されたため、市総合文化 体育館だけで活動することに。施設の問題で、募集も定員を設けな ければならなくなった。現在はバドミントンや卓球など六教室に三 百人強の会員が参加するだけ。構想は大きく狂った。

 市がもう一つの柱として考えていたのが、小、中学校区ごとに地 域の人々を中心にクラブを設立する「地域スポーツクラブ」だ。市 は体育館を新設した地域を中心に、設立を呼び掛けてきた。しか し、地域の賛同を得るのは難しく、できたのは六地区だけ。「これ だけの都市圏になると、行政だけで事業を市全体に認知、浸透させ るには限界がある」と正本主任は言う。

組織づくりに思うに任せず

 人口約二十八万の下関市は、昨年度からモデル事業をスタートさ せた。一年目は、体協やスポーツ少年団などで構成する推進委員会 を設立。今年から具体的な立ち上げ準備にかかっている。市内を五 地区に分け、それぞれクラブをつくる予定だ。

 同市では、地域主導でのクラブづくりを目指している。「行政が 組織づくりをしてスタートさせるのではなく、体育指導員や地域の 指導者など運営する人々がしっかりと組織を作る。そうでないと、 地域に浸透しない」と、市教委体育課の筒井猛課長(59)。そのた め、市は指導者養成講習会を開催するなど、ソフト面でのバックア ップに徹している。

 日本スポーツクラブ協会の調査によると、人口百万人以上の都市 の四四・四%が、クラブ育成を予定している。事業に対する行政の 取り組み方が今、問われている。


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