中国新聞

アマスポーツNOW
地域
 第2部 総合型クラブ 4 健康づくり


高齢者の元気を応援
都市の苦悩
運動の後、体育館のロビーに集まり、交流を深めるみつやの里クラブ・軽スポーツサークルの会員

 「元気老人をバックアップしていこう」。昨年、設立した「みつ やの里スポーツクラブ」(広島県高田郡吉田町)は高齢化が進む町 の現状を見据え、住民の健康づくりに重点を置く。

 町の人口は一万一千人。六十歳以上が三二・九%を占める。「介 護保険は消極的な福祉。死の直前まで元気に生き、介護を受けても 自立的に運動するエネルギーがあってほしい」。新本正則会長(71) は、クラブへの思いを熱っぽく語る。
≪メ  モ≫
地域スポーツクラブ実態調査(99年、日本スポーツクラ ブ協会)
◇総合型クラブのメリット(3092市町村、複数回答、数字は %)
 全国広島
生涯スポーツの振興81.775.0
健康・体力の維持・増進54.654.8
世代間の交流49.242.9
住民のスポーツ参加率向上38.951.2
青少年の健全育成38.547.6
住民の意識・連帯感の高揚38.334.5
家族や仲間とのふれあい28.125.0
増える余暇時間の有効活用25.931.0
施設の有効活用23.721.4
高齢化社会への対応22.726.2
既存団体などの再構築17.216.7
指導者の掘り起こし16.69.5
学校部活動の受け皿15.99.5
非実施者へのアプローチ15.420.2
既存のスポーツ事業の統合7.27.1

 一九九八年にモデル事業をスタート。国の補助金がなくなる来年 度以降を見越し、「無理のない運営」をする。指導者には無償で協 力を求め、四十一人がボランティアで参加。年会費は年代別に一人 二千〜三千円で、三百一人が会員になっている。

町ぐるみ 交流の場提供

 活動は吉田運動公園を拠点に、小、中学校やふれあい広場をネッ トワーク化。18競技・種目で計25サークルを用意する。11サークル は会員全員を対象にし、競技の人気度や活動日、時間帯に応じて、 小学生、ジュニア、中学生・一般、一般と年代別の対象を設定。世 代間交流にも、知恵を絞っている。会員も中学生以下のジュニアが 九十七人、高校生以上の一般が百三十一人、六十歳以上のシニアが 七十三人と、幅広い世代が参加している。

 一番の人気は、軽スポーツサークル。六十〜八十歳代を中心に五 十人が活動する。メニューは8種目。その中から毎週3種目を用意 し、好きなのを選んで楽しむ。代表者の原大作さん(60)は「楽しく がモットー。ムードが良く、みんなから『ああしよう、こうしよ う』と声が上がり、圧倒されます」。

 会員は茶菓子などを持ち寄り、運動の合間にコミュニケーション を図る。新本会長は「高齢者には初めてスポーツに触れた感激や喜 びがある。新しい人間関係も生まれ、生きる意欲が生まれてくる」 と、はつらつとした姿に目を細める。

 町も「町民一人1スポーツ」を掲げ、その核としてクラブを積極 的に支援する。運動公園の館長が事務局長を務め、町教委の専門員 を専任にし、ボランティアなどを含めた四人が事務局を担当。スポ ーツ知識のある人材をそろえる。

 「三年間は根ごしらえ。勝負はこれから」と新本会長。自主運営 に向けた財源や経営能力のある人材の発掘、ソフト面での魅力づく りなど課題も少なくない。平田武幸教育長(55)は「クラブが独り立 ちするまでは、町が支援。保健婦の活動など福祉とも連動させ、子 どもから高齢者まで元気に高齢化社会を迎えるようにしたい」と、 生涯スポーツの町づくりを進める。


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