中国新聞

アマスポーツNOW
地域
 第2部 総合型クラブ 7 広域センター


先進地参考に運営模索
広域センター
愛知県・成岩クラブのクラブハウスを視察する広島広域センターの職員ら

 総合型クラブの育成を支援する広域センター。現在、一道四県が 国の委嘱を受けて設置している。広島県立総合体育館にある「ひろ しま広域センター」は、昨年から活動を始めた。県教育事業団の職 員が事務局を担当。クラブへの助言をはじめ、指導者の派遣や研 修、クラブ間の連携促進などの役割を担う。

 広島県は、全国でも二番目に多い五町が総合型のモデル事業を実 施。三町は本年度から、設立準備を始めた。総合型クラブは、全国 的に苦しい運営を強いられているのが現状。育成のノウハウ蓄積が 急がれる。
≪メ  モ≫
文部省のスポーツ振興基本計画(9月発表)
◇地域のスポーツ環境の整備充実方策(関連部分を要約)
 2010年までに、各都道府県に少なくとも一つは広域スポーツ センターを育成する。
 将来的には、中学校区程度の地域での総合型クラブの定着、広域 市町村圏程度での広域センターの設置が目標である。
 都道府県は、広域センターの育成を推進し、総合型クラブの円滑 な運営を支援する。

 職員は既に、全国十カ所以上のモデル地区を視察。十月下旬に は、県の関係者らを含む五人が、愛知県半田市の成岩(ならわ)ク ラブを訪れた。成功例といわれる同クラブは、成岩中の部活への不 安から動きだした。

 元同中教諭で火付け役となった市教委の担当者は「まず小、中学 生が連携し、サッカークラブをつくった。他の教員にも呼び掛け、 競技ごとにクラブを立ち上げ、一つにまとめた」。少年をまもる会 を中心に、地域主導で総合型に発展した経緯を説明した。

市民理解へ多くの課題

 「クラブは、行政主導では成り立たない。住民のボトムアップを 育てる工夫がいる」。担当者から助言を受け、職員らは運営費や指 導者確保の問題など細かく質問し、データを集めた。

 同センターのアドバイザー、高田稔さん(63)は「成岩は親を巻き 込んで成功した。半田市も全中学校区に広げるため、長期的な構想 を持って取り組んでいる」。住民を納得させる自治体のビジョンの 必要性も痛感していた。

 県内市町村の総合型への認知度は低い。事務局の伊藤信明課長 (54)は「『行事で手いっぱい』とか、『既成団体をまとめられな い』とか、温度差がある」。多競技、多世代型という理想の高さ も、自治体が二の足を踏む一因。地域ごとに人口規模や体育団体の 状況、施設や指導者数など条件が違い、ハードルが多い。

 福山市教委スポーツ振興課の浜田正臣課長(51)は「総合型は会費 制で独立採算。市民に意義を理解してもらうまで、どれだけ時間が かかるか…。複数競技を地域で持てるかも疑問」。市内の限られた 地区でモデル事業を実施すれば、他地区から苦情も予想され、手を つけにくい。

 さまざまな問題を解決するには、多くの事例や情報が求められ る。同センターは、全国の活動状況を収録したビデオや事例集づく りも進める。伊藤課長は「初めは単一競技、多世代型でもいい」 と、多様な形態を模索。地域の特長を生かす提言も欠かせない。


Menu next back