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 第2部 総合型クラブ 9 NPO


法人化で幅広く事業展開
NPO
出雲スポーツ振興21の拠点施設となる出雲ドーム

 総合型クラブの運営は、地域住民による自主運営が理想とされ る。そのために、公益法人などに比べ、法人化へのハードルが低い 特定非営利活動(NPO)法人となり、組織運営するという考え方 がある。
≪メ  モ≫
特定非営利活動促進法(NPO法)
 福祉や文化社会教育など市民の社会貢献活動を促進するため、一 九九九(平成十一)年に成立。不特定多数の利益を図ることを目的 とする団体が、法人となるための条件などを定めている。

 法人格取得の一番の狙いは、NPOの名前で契約や財産の所有で きることから、行政からの委託事業など幅広い事業展開が可能にな る。また、社会的な信用を得られやすくなるメリットもある。

 出雲市では、市教委を母体とするNPO団体「出雲スポーツ振興 21」が三月下旬、県から認証を受け、スタートした。法人化で出雲 ドームなど市のスポーツ施設の運営や管理、市体協や市スポーツ少 年団といった法人の事務委託などの営利業務が可能となった。中で も、中心的な仕事は市が進めている「出雲総合型地域スポーツクラ ブ」の設置、運営である。

行政・学校とも連携図る

 市内六中学校区すべてにクラブ設置を計画し、今月初旬に浜山中 学校区の高松地区がクラブを立ち上げた。「将来的には自主運営す る六クラブを統括し、共同でのイベントや大会などを主催したい」 と、安井清三事務局長(61)。

 法人化について、市教委の藤江直樹主事(24)は「行政が進めれ ば、時間もかかるし、制約もある。法人にすれば、より機動力のあ る組織になる」と、狙いを口にする。しかし、現在は収入の九九% が市からの補助金(本年度1億8千万円)という状態。「会員が増 え収益が上がれば、補助金の割合も変わってくる」と市教委は説明 するが、自主運営には程遠い状態だ。

 行政主導の出雲市に対し、広島県内の高校教員らが立ち上げた 「コーチズ」は地域主導の団体といえる。学校、地域での深刻な指 導者不足を受け、その育成、派遣を主な活動として組織された。現 在、指導者講習会の開催や派遣のためのバンクづくりにも取り組ん でいる。

 コーチズの場合、NPO法人格を取得した意図は、社会的な信用 を得ることにあった。「これで行政、学校とも、連携しやすくな る」と児玉宏代表(45)。目標とする総合型クラブづくりのため、他 のNPO団体とも協力、連携を進めていくという。

 中国地方では、スポーツ分野でのNPO法人は二例しかない。法 人化による税制優遇はないものの、興味を示しているクラブや自治 体は決して少なくはない。地域のスポーツ振興の手段として、大き な可能性を秘めているといえる。


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