中国新聞

読者の声(中国地方)

願いはひとつ 「健全育成」

 学校の運動部活動の現状を紹介した「アマスポーツNOW(学校 編)」は、第五部まで全四十九回の連載を終えた。

 第一部では、深刻な状況にある廃、休部の問題にスポットを当て た。第二部では、勝利至上主義や受け皿不足といった部活の現状、 第三部は後継者不足や教員配置など指導者の問題を取り上げ、第四 部は合同部活や外部指導者など先進例を紹介した。第五部では、大 会運営や子どもの体力低下など組織や授業の今後のあり方を考え た。

 反響は大きく、約五カ月間の連載期間中に、読者や中国地方の学 校関係者から数多くの声が寄せられた。多くの問題を抱える部活動 へのさまざまな意見と有識者らの提言を紹介し、学校編を締めくく る。(アマスポーツ取材班)

■練習漬け ゆとり与えて 塾にも通い時間なし

部活の現状

●学校の部活動縮小には、反対です。なぜなら、私の住んでいる町 には、学校以外に子どもがスポーツをできる環境がないからです。 サッカーや水泳などはお金を払えばクラブでできますが、そのほか の競技は、大人を対象としたものばかりです。それに、スポーツは 学校ですることに意義があるとも思います。友達づくりのきっかけ にもなるし、礼儀や人との付き合い方なども知らないうちに学習で きる。そのためにも、先生方にもっと部活に出て、子どもたちを指 導してほしいと思います。(岩国市・主婦)

●学校とクラブ活動とは、基本的に別々にするべきです。つまり、 A校の野球部に、B校やC校の生徒が所属してもいいようにすると いうことです。そうすれば、高いレベルを目指す人と楽しみながら やりたい人とが自由に分けられ、学校選びをクラブ活動で決めるよ うな本末転倒はなくなります。自分のやりたいクラブが自分の学校 にないからと、競技をあきらめる必要もなくなる。(福山市・男 性)

●学校部活動の廃止に、賛成です。なぜ中学の先生が、自分の専門 でもないスポーツの指導をするのか不思議でした。現状では、理科 の先生が自分の専門をより高める時間はないであろう。そんな先生 に理科を教えてもらっても面白くないだろうと思っていました。先 生にもっと勉強する時間を与えてあげて下さい。(広島県佐伯郡・ 男性)

■頑張る子は勉強も…/「下手だ」では追い詰める

勝利至上主義

●私の子供が通っている中学校のバレー部では、顧問の偏見に満ち た指導で部員数が減っています。上手な子を対象に指導し、そうで ない子にはやめるように精神的に追い詰めているように感じます。 強さを求めることだけに考えがいってしまって、人としての大事な 物を何か忘れてしまっているように思います。 (広島県高田郡・女性)

少子化、指導者不足…学校の運動部活動は今、過渡期を迎えている(6月3日の広島県高校総体開会式)

●スポーツは技とともに、楽しみながらやるものだということを今 一度考え直すべきだと思います。スポーツが得意でうまい子は満足 感でいっぱいでしょうが、「お前は下手だ」と言い続けられ、虐げ られた子供には「私は何をやってもダメなんだ」という劣等感と無 力感しか与えられないと思います。 (竹原市・女性)

生徒気質

●学校週五日制に向けて、練習日は減らしていくべきだが、練習場 所を広く確保し、外部指導者や大学生の力を借りて、効率よく、専 門性の高い練習をしていきたいと考えてやっています。「クラブで 頑張る子は、勉強も頑張る」という傾向が、かつてより強くなった ように感じています。(広島市・男性)

全員加入

●公立中学校では、全員がクラブに入らなければいけないらしいの ですが、一生懸命打ち込めるクラブが少ないのではないでしょう か。クラブに入っていても練習に出てこない部員が多かったり、指 導者のいない時には練習できない部もあります。クラブの成績が内 申書に記入されるのでしたら、一生懸命に努力しても結果が出ない 子と、練習に来なくて幽霊部員と称して帰る子で、同じようにクラ ブの所属欄に記入されるのはおかしいのではないでしょうか。 (広島県安芸郡・女性)

部活の過熱

●部活動は、中学レベルと高校レベルとでは目指すもの、目標とす るものが違うと思います。中学校ではやはり学力と並行させるべき だと思います。中体連の競技会に、全国レベルの大会は必要ないと 思います。小中学校を、ゆとりのある生活をと言いながら、せっか く学校が休みの第二、四土曜日も朝から練習や練習試合。次の日曜 日にも練習や大会と、生徒を追い立てているのが現状です。(広島 県・男性)

●私の子どもは、中高と六年間部活づけでした。高三の時、受験の ため引退した時、正直言って、やっと子供が帰ってきた感じがしま した。しかし、町内である行事には六年間のブランクがあるので、 あまり積極的には参加しませんし、声も掛かってきません。地区と のかかわり合いは、小学校を卒業した時に切れてしまったのが現状 です。何かあると、学校は子どもを育てるのは地区、家庭が中心と 言います。部活から開放されない子どもたちをどうすれば地区、家 庭が育てられるのでしょうか。部活に塾にと走り回っている子ども のどこに、そんな時間があるのでしょうか。(呉市・男性)

■ほったらかしは無意味 専門外の指導難しい

指導者不足

●私の子どもは、高校の運動部に所属しています。最初の顧問の先 生は競技経験のない人でした。どの部にも経験のある先生を配置す るのは無理で、仕方ないと思っていました。その後、経験も実績も 豊かな先生が転任していらっしゃいました。しかし、その先生は他 の部の顧問になられ、指導してもらうことはできませんでした。今 後は、クラブの数を、専門にやった経験のある先生が指導できるも のに絞り、複数の先生で担当してもらえれば、先生の負担も軽減す るのではないでしょうか。(匿名)

●剣道部に子どもが在籍している。先生は剣道未経験で、しかもク ラブに出てこない。入学当初は「クラブは内申に大いに影響する」 と言っていながら、ほったらかし。去年の顧問の先生の一人は、一 年間で一度も出てこなかった。放課後は事務処理で忙しいのなら、 外部から指導者を雇ってほしいが、予算に限界があるらしい。体協 主催の教室に通ったらいいと、先生から勧められた。これでは、学 校のクラブの意味はない。(広島市・女性)

休廃部

●子どもの所属している部が、休部になりました。顧問の先生が忙 しすぎて、指導できないという理由でした。代役の先生もいません でした。子どもたちにやる気はあっても、それを見守ってくれる、 支えてくれる先生はだれもいなかったのです。指導する人を先生に 限らず、外部の人に見てもらうことはできないのでしょうか。子ど もたちの受け皿を大きくして、地域の人とかも一緒になって、見守 ってもらうことができたらと思いました。(呉市・女性)

教員異動

●子どもが中学校で陸上部に入っていますが、春の異動で陸上の先 生がいなくなった。新しく顧問になった先生は、陸上ではなく自分 の専門の球技ばかり練習し、保護者からブーイングが出ている。校 長に話したが、「立場を考えて物を言っているのか」と言われた。 他校では陸上の専門の先生が指導しているのに、残念でなりませ ん。(府中市・女性)

一校一競技

●私の子どもの通っている中学校は、生徒数が少ないため、運動部 は男女ともに一部ずつしかありません。息子は小学校の時から剣道 をやっており、中学でも続けたかったのですが、全員加入のため、 違う球技を無理やりやらされることになりました。結局、その球技 が好きになれず、退部し、社会体育で剣道を続けることになったの ですが、部活をやらないことで、周囲の目が厳しくなったように感 じています。大きな学校であれば好きな競技を選ぶことができるの にと、思えてなりません。(山口県・主婦)

教員採用

●広島県は、勉強もスポーツも低レベル。教員の採用にしても、臨 時採用の人の方がスポーツ経験もあり、生徒を教育する能力がある と思われる人が多いのに、採用試験ではほとんどが落とされる。こ のようなことでは、将来子供の多面的な教育などできない。もっと いろんな教員を入れるべきです。(広島県・女性)

外部コーチ

●長年、外部コーチとしてバレーボールの指導をしてきたが、教員 以外の人間が監督のできる高野連と異なり、高体連はコーチが監督 になれない。実際に指導しているのはコーチにもかかわらず、大会 ではほとんど練習に出てこない顧問教諭が監督として指揮を執る。 大会や種目によっては、コーチのベンチ入りさえ制限されている。 指導力のある教員がどんどん減っていく中で、外部コーチは必ず必 要となる。組織の問題ではあるが、もっとコーチの立場を認めても らいたい。(呉市・男性)


Menu