
| 広島県体協スポーツ医学委員会 村上恒ニ副委員(52) | ![]() |
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| 発育期は体の酷使禁物 |
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「子どもと大人は、全く違った生き物である」というのがキーワ ード。子どもの骨は弱く、骨が伸びるので、いつも筋や腱(けん) が伸びた状態にある。疲労骨折は発育期に多く、ほやほやの骨に起 こりやすい。疲労骨折を起こすのは、人と馬と犬。子どもは大人に 管理され、スポーツをやらされているから起きる。
発育の個人差も大きく、同年齢ということで、十把ひとからげに すると、問題が出てくる。個人の成長段階に応じた指導が必要。一 年間に身長が一〇センチも伸びるような発育急進期は、注意しなければ いろんな障害やひずみを引き起こす。
痛みは、警告反応。子どもが痛みを訴えたら、中が壊れてきてい ることを告げている。早く休ませて治療を。子どものスポーツ障害 は、基本的に使い過ぎが原因。運動は薬と同じで、多過ぎたり、間 違った与え方をすると害になり、少な過ぎると効果がない。
日本の野球は、朝から晩まで練習。投手は酷使され、優秀な人間 が壊れてつぶれている。米国では、厳格な投球制限をしている。小 学生は一日50球以内(週200球以内)、中学生は70球(同350 球)、高校生は100球(同500球)が望ましい。練習も小学生 は週三日、一日二時間以内、中高校生は週一日以上の休養が必要で す。人間の体は、運動で壊れた組織を修復する機能を持っている が、毎日練習すると追いつかない。「努力、根性」と言ってやるの は、大きな間違い。経験主義だけではだめ。
欧米では、地域とかプロ組織が一貫して育てている。日本の学校 は六、三、三制で、各指導者が短期間で実績を出そうとするのも、 障害が起きる原因。最高の運動能力が発揮できる二十五―七歳に目 標を置き、息の長い指導をすることが必要です。
小学生のころは、神経系のネットワークが発達する時期。いろん な競技をやらせるのが、世界の大勢だ。中学時代は心肺機能が発達 するので、粘り強さを養う時期。高校時代は、筋力がつく時期。身 長の伸びが止まり、男性ホルモンが出るようにならないと筋力はつ かない。小中学生で筋トレをするのは、ナンセンス。けがばかりす ることになる。
今後は中高校にスポーツ医学教育を取り入れ、定期的にトレーナ ーが学校を回るようなシステムもいる。子どもが痛みを申告しやす い雰囲気づくりも。医科学的にトレーニング法を知っている指導者 は、大きな成果を生む。