中国新聞

指導者の声

部活存続に苦悩  時代の波 縮小へ

部活の現状

 ●サッカー(島根・中学)県内では生徒数の減少で、部員数を必 要とする野球とサッカーのどちらかを辞めるということが問題にな る。保護者、教師ともまだ野球世代が多いようで、全戦全敗。地域 のクラブも少なく、サッカーをしたいと思っても、場を与えられな い生徒が増えている。

■校務多忙 時間に制限/先生本位では教え過ぎに

 ●重量挙げ(鳥取・高校)校務が多様化し、すべての事を学校が 背負っているような現実があり、以前のように部活に時間を十分に かけることが出来なくなっている。日本ではスポーツの社会的地位 が低く、認めてもらえない部分を感じる。

 ●体操(島根・中学)部活動オンリーとか、やり過ぎとか、各方 面で反省され、時間的に制限を受けるようになった。

 ●バドミントン(島根・中学)学校教育の中で強制的な部分が減 少し、自主性を尊重する部分が増えている。その中で、競技力向上 を主目的に活動するには、限界がある。生涯教育(体育)の観点か ら、楽しい活動を目的とする部が増えると思う。
部活動のあり方について、議論を重ねる教員たち(山口市で開かれた全国高体連研究大会=1月)

 ●少林寺拳法(山口・高校)柔軟な人事により、指導者の転任に よる廃部を防いでほしい。また、学校や社会が部活動を人間育成や 人間関係を学ぶ場として、再評価する必要がある。

 ●新体操(山口・中学)競技人口の減少で、審判員の確保など競 技会運営が困難になってきた。競技レベルも低下した。外部指導者 の手当が出せない。出せてもわずかなので、頼みづらい。

 ●陸上(広島・一般)いろんな競技で、少ない子どもの奪い合 い。これで本当にいいのか。小さいころから鍛えれば、全国大会に は行ける。だが、その子が年を取っても、競技を続けるとは思えな い。早く熟したカキは、早く落ちる。落としてはいけない。環境を 与えるのはいいが、やり過ぎや先生本位の考え方では教え過ぎにつ ながる。

部活の意義・在り方

 ●ラグビー(山口・高校)ある程度、特色ある部に絞り込み、シ ーズン制にして(一年間に)複数の競技を実施し、オールラウンド な子どもの育成を図ることなどを考えて行く必要がある。

 ●体操(広島・高校)インターハイも、県対抗でやれば。学校対 抗にこだわると、県内の活性化はできない。

 ●柔道(岡山・中学)行政も柔道連盟なども、中学の部活の意義 を忘れないでいただきたい。部活の位置付けも、しっかりする必要 がある。今のままのボランティアでは、勤務時間終了で帰宅するよ うな若い教員が増え、嫌々する教員、疲れたままの教員が多い現状 は変わらない。職務的なら代休や手当も。校内の分掌にも配慮すべ き。

社会体育との連携

 ●柔道(山口・高校)日本は学校の部活動に、競技力向上と教育 効果を同時に求めていた。現状では、先は見えている。欧州のよう にクラブチーム形式で、社会体育の面で取り組まなければ、スポー ツ後進国になるだろう。

 ●ハンドボール(山口・中学)学校が部の数を減らす時、専門の 指導者がいない部が対象になる。クラブチームとして存続しなけれ ば、マイナー競技はなくなってしまう。

 ●バレーボール(山口・高校)従来の学校体育での部活動は、限界にきているのでは。かといっ て、日本の教育制度の下で、社会体育への移行がスムーズにゆくと は思われない。

指導上の悩み

 ●ボクシング(鳥取・高校)指導者が教員にいない。周囲(教員 や管理職)からは、別な目で見られる。運営して行く金がなく、自 分の金を使うことになる。選手強化の面でも危険性が高いと思わ れ、何をとっても八方ふさがりのような気がする。

金がかかる部活

 ●陸上(島根・高校)勝利至上主義が一層、強まったのではない か。部活の経費も、必要以上にかかるようになった。

 ●体操(鳥取・高校)学校単位の部活動方式では、器具購入も対応できない。指導者不 足も生じる。これを一気に解消するには、市や県で専用の体育館 を。

■自己中心的な生徒増えた 親のしつけにも問題


生徒気質の変化

 ●相撲(山口・高校)武道のような修練による人格形成に主眼を 置いて活動している部は、生徒のニーズがなく、部員確保は難し い。指導者も激減している。何から手をつけたらいいのか、模索の 状態。

 ●サッカー(島根・高校)Jリーグ効果でプレーの質は向上した が、逆にプレーマナーや応援などピッチ外のマナー低下による問題 が増えた。自己中心的な生徒が増えた。

 ●バレーボール(広島・中学)厳しさだけでは、今の子どもはつ いてこない。勝利至上では、生徒指導にひずみが出てしまう。勝て ばいいじゃないかという考えが、子どもたちの間に浸透してしま い、授業中に寝たり、あいさつができなくなったり、親に感謝ので きない子どもが増えてしまう。実際にそういう傾向は見られる。

保護者

 ●バレーボール(広島・中学)子どもが変わったと言うけれど、私に言わせれば親が変わったと 思う。しつけをしない、指導力がない。だから、今の子どもは内面 を隠すことが多いし、人とのかかわりを好まない子どもも多い。指 導は年々難しくなっている。

教員の意識変化

 ●野球(広島・中学)部活指導をする教員と、しない教員の意識の差が大きい。何もし ない教員に限って、部活縮小といった意見を会議で出してくる。子 どもたちに対して、あまりに無責任だと思う。

外部指導者

 ●ソフトテニス(広島・中学)外部指導者と一緒に飲んだりしながら、子どもの生活指導の面と か家庭事情などの話をする。子どもとコーチの信頼関係を築いてい くためには、子どもを知ることが大事です。

合同部活

 ●ソフトボール(広島・中学)集団スポーツですから、合同部活というのは難しい。合同チーム を認めると、うまい子を集めるという選抜チームの懸念が出てく る。あくまで単独校のみでという原則を外すと、がたがたになると いう意見もある。


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