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モデルは欧州 多彩な種目       
各世代が楽しむ「総合型」

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「みつやの里スポーツクラブ」で、ソフトバレーボールなどを楽しむ会員(広島県吉田町の吉田運動公園体育館)
 体育館のあちこちで歓声が上がり、笑顔が広がる。広島県高田郡吉田町の吉田運動公園。「みつやの里スポーツクラブ」の会員たちが、思い思いに軽スポーツを楽しむ。バドミントンをした後は、ソフトバレーボール、卓球。土曜日の午後は小学生も加わり、にぎやかになる。「今は十二教室ですけど、二月からフットサル、三月にはラグビーも始めます」。事務局を担当する町教委の神川義紀主任は、充実ぶりをPRする。

■生きがいづくりも

 一九九八年度から文部省の補助を受け、町内の体協や地区コミュニティ代表、小中学校の校長、老人クラブなどの各団体が集まり、総合型地域スポーツクラブへの組織づくりを進め、昨年九月に旗揚げした。

 現在、会員は二百六十五人。指導者も四十二人がボランティアで集まった。会員は年会費二〜三千円を払い、好きなスポーツを選択できる。運営委員会の新本正則会長は「ここに来れば、町民の要望にすべてこたえられるようにしたい。スポーツを縁に人間関係が広がり、生きがいづくりにもなる。町おこしにもつなげたい」と熱っぽく話す。

 文部省によると、日本人のスポーツ頻度は、週一回以上の人が約三五%。「欧州の先進国に比べ、二〇%近く低い」という。笹川スポーツ財団のスポーツライフデータ(九八年)でも、成人で一年間にスポーツを全くしなかった人が、三四・三%に及ぶ。

 公共のスポーツ施設を使用している地域のクラブは、文部省の推計で三十七万クラブあるが、このうち三十四万クラブが単一競技。「年齢が特定され、技術レベルも高く、ゲーム志向が強い」(文部省体育局)。地域の人がだれでも、日常的に楽しめる状況にはない。

 スポーツ・フォア・オール(生涯スポーツ)運動を推進する同財団の坂井宣夫企画部長は「欧米より二、三十年遅れている。日本ではスポーツをする年代も中高校生、大学生が中心。欧米では子どもの時から死ぬまで、各世代で楽しめる土壌がある」と説明する。

■長期ビジョン必要

 総合型地域クラブも、文部省の三年間の補助期間が終わった後、運営費不足や会員減などで活動が衰退したケースもある。行政主導の限界も指摘される。「無償の学校スポーツで育った日本人には、スポーツに金を払う習慣がないため、定着しにくい」とも言われる。

 文部省体育局の坂元譲次スポーツ指導専門官は「地域の人が自主的に地域社会をつくって行く時代。少子・高齢化といった地域の置かれている状況を見つめ、町の二〇年後、三十年後を考え、どういうビジョンを持つかが大切」と話す。


中国地方の総合型地域スポーツセンターの設自治体  スポーツ・フォア・オール運動
 一九六〇年代後半、欧州で提唱され、一部の限られた愛好者、選手のものだったスポーツが、一般市民の生涯にわたる権利として位置付けられた。七八年の国連教育科学文化機関(ユネスコ)総会では、「体育・スポーツ国際憲章」を採択。その第一条で、「すべての個人は、人格の全面的発達にとって、欠くことのできないスポーツに親しむ基本的権利を持つ」と宣言した。八〇年代以降、欧州の先進国ではスポーツの大衆化など、国民の健康づくり、福祉向上へのまざまな施策が展開され、「スポーツ権」の確立が進んだ。
 総合型地域スポーツクラブ
 欧州型のスポーツクラブづくりを目指し、文部省が一九九五年度から育成モデル事業をスタート。地域住民が自由に参加でき、多様なスポーツを楽しめる拠点づくりを目指す。
 事業規模は最大で千三百万円。希望する地方自治体が事業計画を作り、各都道府県教委を通じて申請。事業規模に応じて、国が三年間、半額を補助する。本年度は下関市や玉野市など十八市町が加わり、全国三十七市町村に地域クラブができた。
 本年度は、地域クラブを後方支援する広域センターが、広島県など全国五カ所に設置された。同センターは管轄する圏内の地域クラブの育成や運営指導、事業支援などをする。スポーツ議員連盟の提唱では、将来的に、地域クラブは中学校区単位で全国一万カ所、広域センターは三百カ所を目標にしている。


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