中国新聞
2001/10/04
「凶悪犯養成」許さぬ
  広島県警が暴走族取締本部

徹底検挙へ総力戦

 「面倒見」との関係を断ち切り、一気に根絶を目指す―。三日始動した広島県警の暴走族特別取締本部が描くシナリオだ。刑事、交通などの各部門から選抜された捜査員たちは、「将来の広島の治安を守る取り組み」(竹花豊県警本部長)を担い、総力戦に臨む。

  とうかさんの夜、「特攻服」姿でたむろし、市民に威圧感を与える暴走族グループ(6月3日、広島市中区新天地の中央通り)  

 「面倒見を含め、リーダー格を中心に徹底検挙し、メンバーの大量脱退の方向をつくる」。この日で就任一カ月になる竹花本部長は、戦略の一端を示した。

 「暴力と恐怖」で支配、統制をする面倒見。暴力団組織を背景にした彼らに現金を上納するため、暴走族は恐喝やひったくりなどを繰り返し、犯罪集団化する―。この構図のむなしさ、恐ろしさを説く暴走族少年へのメッセージは、竹花本部長自身が大幅に加筆して出来上がった。

 八月、広島市安芸区の解体業者が犠牲になった殺人事件。「あいさつ料」の要求を拒否された暴力団組員が、元の暴走族仲間と結託し凶行に及んだ経緯が浮かんでいる。九月に福山市内で相次いだ強盗事件も、無軌道な手口から暴走族少年たちの犯行との見方が強まっている。

 竹花本部長は、「凶悪犯罪者を養成するシステム」と暴走族を断じた。

 一方、ビデオ撮影などで証拠を集めて道交法の共同危険行為などを事後に立件する捜査手法に対し、県民からは「手ぬるいのではないか」との声も根強かった。

 この日、取締本部長に就いた坊田一昭交通部長は「現場の交通状況をみて、道路封鎖や検問などで捕らえたい」と説明。「現行犯主義」を打ち出していく姿勢もにじませた。

 毎月、組員に金を払い、暴力団に守られてまで君らは走りたいのか

 ■県警メッセージ要旨■

 「今暴走族に入っている君たちへ」

 県警は、今日から特別体制をとって、君たちと向かい合わなければならなくなった。君らもよく知っているように、県警は、暴走や泥棒をした君らの仲間をたくさん逮捕してきたが、暴走しているときは、君らがけがをしないように、慎重にやってきた。君らはそれにつけ込んで、パトカーを傷つける、物は投げつけるなどしたい放題。これを見た県民が怒るのもあたりまえだろう。

 それにしても君らのやっていることは、恥ずかしいやら、あきれるやら、見ていられない。きんきらきんの特攻服を着て大勢の人の見えるところでたむろする、暴走中はべったり覆面。そんなことをしなければできないようなことに、ろくなことはない。君らは、毎月、暴力団組員に金を払っているが、暴力団に守られてまで君らは走りたいのか。

 よく聞いてくれよ。族に入っていてはだめだ、とりかえしのつかないことになりかねないぞ。族にいるかぎり、暴力団組員やリーダーの命令にはどんなことでもしたがわなければならない。族をぬけると言い出せないでいると、あっという間に目のつりあがった一級の犯罪予備軍になるのだ。暴走族が、君らを傷つけ、一生を失わせるのだ。

 君たちが、これまでのようなことを続けるのであれば、残念だが、警察も全力を尽くして対応せざるを得ない。そのときには、君らはつまらない抵抗をしてはいけない。大けがをしかねない。

 今すぐに、族を出よう。われわれが力になろう。われわれは君らと争いたくないし、何より君らに幸せな一生を送ってもらいたいと思っているのだから。

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