2002/01/11
「40%」―。広島県警が昨年認定した暴力団の「準構成員」に占める暴走族関係者の割合は、暴力団と暴走族の密接な関係を裏付けた。「面倒見」に上納金を支払い、組事務所に出入りするうちに、暴力団の協力者に…。暴走の代償は、非行少年たちが考えている以上に大きく、後戻りも困難である。 (暴走族取材班)
暴力団と暴走族をつなぐ「面倒見」。多くが指定暴力団共政会などの組員か、その周辺者である。 広島市近郊に拠点がある暴走族リーダーの少年(17)は「面倒見はトラブルが起こった時の保険」と説明する。他のグループとのけんか、暴力団関係者からの言い掛かり。もめ事の際、暴力団組織を背景に仲介役、後ろ盾役となってもらえる、との認識だ。 上納金はその見返りで、相場は毎月一人当たり三千〜千五百円。ある面倒見の組員は「うちは花見なんかのジュース代などのためにプールしている。微々たるもんで、あくまで『会費』よね」と言う。しかし、他のグループの状況からも、「会費」の域を超えた実態は明らかだ。 昨年秋に引退した元暴走族のリーダー(18)。現役時代、組関係者らが百円前後の空きディスクにヒット曲を録音したCDを毎月、約二十枚ずつ買わされていた。 一枚は千円から千五百円。買い取ったCDは、友人たちに売った。「脅しまがいに高校生らに転売する暴走族もいた」。正月用の高価なしめ飾りや新巻きザケを大量に買わされることもあった、という。 このほか複数の少年が、さまざまな名目による法外な額の金集めの実態を証言する。組関係者の刑務所の出所祝いから誕生日のパーティー資金、知人の出産祝い、車の修理代…。元暴走族の少年(19)は「二週間以内に五十万円」と要求されたこともある。「きつかった」と振り返るが、金策の手段については多くを語らない。 「会費はいらん」と近づいてきた面倒見。「最初は優しかったけど、だんだん金集めがひどくなって。カネ、カネ、カネの世界だった」と少年は言う。 広島市と周辺が拠点の暴走族グループの連合体体ごとに、共政会系の面倒見や黒幕がいる。市中心部の公園で開く週末の集会に、公然と姿を見せることも珍しくない。 四百人を超える広島県内の暴走族。「上納などの金の流れは年間数百万円単位になる」とみる捜査員もいる。行き着く先は、暴力団組員とその周辺。少年といえども暴走族メンバーが「準構成員」とされる根拠の一つだ。
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