中国新聞
2002/02/17
断ち切れ 暴走の連鎖  
集会やめて家へ帰ろう
  対策協 「呼びかけ運動」 広島市中心部

住民250人、ビラ作戦

 暴走族が市街地の公園を占拠する異常事態の解消へ向け、住民が勇気を奮い、立ち上がった。十六日夜、広島市中区の袋町公園とアリスガーデンに、町内会や商店など地元の人たち約二百五十人が一斉に足を運んだ。「こんなことはやめてほしい」。たむろし、集会を開く少年たちに帰宅を促し、手作りのメッセージを手渡した。

(暴走族取材班)

  「早う帰れよ」。アリスガーデンで暴走族少年たちに声を掛ける住民たち(16日午後10時)  

 この夜の「呼びかけ運動」の主体は、地元町内会や商店街で一月に結成した「市都心部環境浄化対策協議会」のメンバーだ。

 午後十時のアリスガーデン。特攻服や覆面姿で集会を開く四〜五チーム、約四十人の暴走族少年を住民たちが取り囲んだ。「何があったんや」。人数に圧倒され、少年たちは表情に戸惑いを浮かべた。

 飲食店を経営する協議会の代表幹事下井良昭さん(54)らが、この日に向けて文案を練ったメッセージの趣旨をリーダー格の少年に説明し、手渡した。他のメンバーも「帰って読みんさい」と少年たちに用紙を配った。

 「集まっとるだけじゃん」。受け取りを拒む少年もいた。下井さんは「こんな格好で公園におると、見る人は怖いんよ」ときっぱり。旗を下ろし、集会を切り上げるチームも見られた。一行は袋町公園でも少年たちを囲み、声を掛けた。

 二つの公園では週末の夜、多い時で百数十人の少年たちがたむろする。旗を立て、声を張り上げるなど、「広島の暴走族」特有の行動を市民や観光客にさらけ出し、不安を与えている。

 市は異常事態の解消を目指す暴走族追放条例の提案方針を固めた。

 袋町第一区町内会会長の財間明さん(75)は「こうした運動は続けることが大切」と話し、「少年たちは自由をはき違えている。条例が実現するよう期待している」と強調した。

人生台無しになる前に考えて  

 住民からのメッセージ(要旨)

 私たちは、この地域の住民です。君たちに一度考えてほしい。

 もしも、君たちの家の隣でこんな集会が行われたらどうでしょうか。もしも、夜の10時、11時を過ぎ、日付が変わっても旗を持って、円陣を組んでいたら、どんな気持ちになるでしょうか。

 公園や広場に来るなと言っているのではありません。普段の格好で、当たり前の時間帯に、他の利用者や住民の迷惑とならないように楽しんでいるのであれば、私たちは何も言いません。

 君たちの中には、暴力団やリーダーに命令されて、いやいやながら来ている人がきっといると思います。断りきれず引っ張り出されているのであれば、リンチが怖くて顔を出しているのであれば、警察や市役所の人に相談してほしい。

 暴力団やリーダーの命令で犯罪を起こさざるを得なくなった先輩たちのことを、私たちはたくさん聞いています。君たちが心底からの悪人でないことも、私たちは知っています。

 だから、こんなことはやめてほしい。君たちの人生が台無しになる前に、一度考えてほしい。

(広島市都心部環境浄化対策協議会)

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