2002/03/07
元暴走族のメンバー二人が五日夜、広島北署であった「暴走族問題を考えるシンポジウム」で、暴走族に入ったいきさつや離脱の難しさなどを語った。広島市安佐南区の学校関係者や住民約四十人が生の声に触れ、問題解決の糸口を探った。 (暴走族取材班)
体験を話した二人は二十歳代前半。いずれも安佐南区を拠点とする暴走族の元リーダー格で、今は社会復帰を目指し、ボランティアなどの地域活動にも参加している。 二人は「学校や家庭に不満はなかった」と明かし、近所の年上の男性の改造バイクにあこがれるなど、手近にあった「暴走への入り口」を振り返った。 離脱しようとするメンバーへのリンチ、金銭要求などの実態も証言した。「代わりのメンバーを連れてくるよう脅すグループもある」。陰湿な手口について、一人は「残る自分たちが否定された気分になるから…」と自問しながら語った。 この男性は「話し相手がいない者同士が集団になる」と、地域や学校で少年たちが孤立感を抱いている実情も明かした。そして「大人と一対一で付き合えるような環境が必要」と、立ち直るきっかけを与えてくれる地域の人たちとの出会いの大切さを強調した。 北署によると、管内の安佐南区の暴走族は六グループ、約六十人いる。シンポは地域の意見交換の場を増やす目的で、声掛け運動などを続けている「少年を育(はぐく)む安佐区民の会」と北署が初めて開いた。 区民の会の原田照美推進委員長(68)は「彼らの背後には暴力団も控えている。どうやったら安全に彼らと対話ができるか、具体策を得るためにも、今日のような機会を今後も持ちたい」。 同区の長束中で生徒指導を担当する胡子久雄教諭(40)は「二人の話を聞いて、生徒たちの声を聞き切れていないと感じた。学校での指導に生かせれば」と思いを新たにしていた。
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