中国新聞
2003/11/17
少女たちと料理 脱会後押し
  広島市佐伯区の「八幡パイロット」

住民ら 心癒やす場所を提供参加者 次はもちつきしたい

  暴走族の少女たちを招いて鶏肉の空揚げなどを作った料理教室  

 暴走族問題などに取り組む広島市佐伯区八幡地区の住民サークル「八幡パイロット」が十六日、八幡公民館で、「レディース」と呼ばれる少女だけの暴走族のメンバーら八人と料理教室を開いた。

 住民とのきずなを深めて、暴走族からの脱会を呼び掛けようと計画した。十四〜十七歳の少女たちは主婦十一人から、鶏肉の空揚げや豚汁など四種類の調理を習った。

 出来上がると早速、試食。和やかな雰囲気の中、少女たちから「次はもちつきをしよう」との提案が飛び出し、主婦たちが「暴走族を抜けたら、うちらのサークルに入りんさい」と声を掛けていた。デザート用に作ったクッキーは、地元の老人ホームに届けた。

 サークルの一部のメンバーは、少女たちが集まる場所などに出掛けて、声を掛ける活動を続けている。森田佐紀子会長(49)は「心を癒やす場所をつくってあげたい」と話していた。

この人にQ
少年を非行からまもる八幡パイロット地区推進委員会 森田佐紀子さん(49)  
少女たちの居場所 料理づくりで提供

 「レディース」と呼ばれる少女だけの暴走族グループと料理教室を通じて交流を重ねる佐伯区八幡地区の住民サークル「八幡パイロット地区推進委員会」。森田佐紀子会長に、少女たちの立ち直り支援にかける思いを聞いた。

(田儀慶樹)

 もりた・さきこ 福山市出身。5月から「八幡パイロット地区推進委員会」の会長。市の青少年指導員、県警の少年補導協助員も務める。

 Q どんな教室ですか。

 少女たちが家でも腕を振るえるよう、カレーやちらしずしなど家庭料理を作ります。十歳代の現役の子や、赤ちゃんを連れたOBもいますよ。教室は年二、三回。一九九九年から始め、十一回を数えています。

 Q 料理に着目した理由は。

 メンバーに主婦が多い特徴を生かし、暴走族からの脱会を呼び掛けるには、と話し合った結論が料理だったんです。ギョーザを作る際、上手に具を包む少女が「小さいとき料理してたんだー」と話し掛けてきたり…。自然に会話が弾みます。

 Q 少女たちの立ち直りに必要なことは。

 居場所と思う。自分を認めてくれる場と人を求めています。退学した少女が「英語をやりたかったんじゃー」と打ち明けてくれました。「おばちゃんには言える」と話してくれる子も。地域の役割の大切さを実感します。「あなたを見ているよ」の思いが大事です。

 Q 料理以外の支援活動はありますか。

 えびす講などの祭り、週末の夜の本通りに出掛け声掛けをします。トッコウ服を着た姿には正直、驚きます。でも、「べっぴんじゃん」と話し掛けます。注意する一方で、認めるのも必要。子育てと同じです。

 Q 今後の取り組みは。

 材料の野菜を栽培し、つくる喜びを共有するのが夢です。暴走族以外に、心のよりどころがあるのを知ってほしい。私たちは、少女たちを見守り続けます。

 ≪メモ≫メンバーは主婦や民生委員など24人。料理教室のほかに、通学路やコンビニエンスストアのパトロール、小学校や幼稚園で「子ども一一〇番の家」の活用方法を紹介する寸劇を披露するなど、幅広い活動をしている。

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