4年ぶりの衆院選でも自民党王国が揺らぐことはなく、山口県内の小選挙区の議席を4回連続で独占した。今回は3区の公認を巡る激しい前哨戦が焦点となった。ただ、県民が求めているのは党内の政争ではない。各候補者が新型コロナウイルス下の選挙戦を通じて地域の課題を直視し、声をすくい上げられたのか疑問が残る。

 3区は11選を目指した河村建夫元官房長官が党本部の要請に応じて解散の直前に立候補を見送り、引退を決意した。県議や地元首長の大半を味方に付けた林芳正元文部科学相が準備を整え、追い込んだ。大物同士の保守分裂が見込まれた流れは一転、無風の選挙となった。

 「無風」は自民党県連が31日に政治資金パーティーを開いたことでも分かる。以前から予定していたとはいえ、国政選挙の投開票日と重なるのは初めてという。一方、全小選挙区に統一候補を擁立した野党は惨敗した。無党派層を大きく取り込む風が吹かねば、県内では対抗は難しい。現状のままでは来夏の参院選も厳しいだろう。