整備が進む東広島バイパス海田高架橋。開通区間(奥)に向けて橋脚が並ぶ。奥側から橋桁を架ける工事も始まっている=9日(撮影・田中慎二)
立ち並ぶ高架橋の橋脚を背に地域の状況を説明する平岡会長

 高さ約10メートルの橋脚が住宅街にずらりと連なる。海田町と東広島市を結ぶ広島都市圏東部の大動脈として期待される国道2号東広島バイパスと安芸バイパス。このうち東広島バイパスの海田高架橋(同町)の工事が本格化している。

 東広島バイパス(9・6キロ)は2014年3月末までに7・1キロが開通。海田高架橋は広島市方面からの国道2号と開通区間を空中で結ぶ。橋脚42基のうち34基は完成し残りも着工済み。橋桁も姿を見せ始めた。

 多くの工場や物流の拠点を抱える同町。昨年の西日本豪雨では周辺の幹線道路が寸断された。広島安芸商工会(同町)の福間教雅事務局長(59)は「バイパスで物流が確保でき、町内の渋滞緩和にもつながる」。会員には、町内を訪れる人が増えるとの見方も多いとし「地域活性化につながれば」と期待する。

 東広島バイパスの事業化から44年。一方の安芸バイパスは24年たつ今も開通区間はない。国道2号の渋滞解消や広島空港(三原市)への代替アクセス道として早期完成を望む声は強いが、開通は見通せない。国土交通省広島国道事務所は「事業費は年々増えている。早期開通を目指し全面展開している」とする。

 住民からは切実な声が漏れる。「バイパス整備に伴い、バイパス脇にできた県道の騒音や振動に悩む住民は多い」。高架橋の西端に位置する曙町自治会の平岡好一会長(66)は、高架化によって騒音や振動の軽減につながる対策を望む。

 バイパスは約350世帯が暮らす同自治会エリアのほぼ中央を東西に通る。「高架橋の完成で南北に分かれた住民が心理的な距離を感じないか。つながりは災害時の避難にも欠かせない。絆を強める取り組みをしていきたい」。この地で約50年間暮らし、姿を変える街を見続けてきた平岡会長は気を引き締める。(鴻池尚)

 <クリック>国道2号東広島・安芸バイパス 広島市と東広島市の間の国道2号の渋滞緩和と所要時間の短縮を目的に国が整備。東広島バイパスは海田町―広島市安芸区上瀬野町間の9・6キロ、安芸バイパスは安芸区上瀬野町―東広島市八本松町間の7・7キロ。東広島バイパスは1975年度、安芸バイパスは95年度に事業化。総事業費は東広島バイパス1192億円、安芸バイパス565億円。3月末現在の工事の進み具合は事業費ベースで、それぞれ79%、54%。