島根県内では7月から8月中旬にかけて4回の記録的大雨に見舞われ、平年の月降水量を超える地点が相次いだ。県東部で雲南市と飯南町が局地激甚災害(局激)の指定が見込まれ、県西部では江の川下流域が約3年間で3回目の水害に遭い、台風9号による河川増水もあった。住宅被害は16市町村の計977棟。農林水産の被害は延べ228億円、公共土木施設被害は329億円に上る。

 7月は梅雨前線の活発化による大雨が主に県東部で続いた。7日は気象庁が中国地方初の「顕著な大雨に関する情報」を松江市内に発表。線状降水帯の発生で1日174・5ミリの雨量を計測し、市は全域に警戒レベル4の避難指示を出した。

 12日には飯南町赤名と雲南市掛谷で、それぞれ1時間雨量が観測史上最大となる71・5ミリ、69・0ミリを記録。雲南市では三刀屋川に注ぐ三谷川があふれて一帯の住宅が浸水し、県内全域で土砂崩れも起こった。

 6~12日の総雨量は安来市伯太が401ミリ、松江市松江で399・5ミリを記録し、出雲、雲南市を含む4市で7月平年値を超えた。住宅の浸水被害が11市町村の計596棟に上った。

 8月は、県西部や隠岐地方での大雨が顕著に。その結果、2カ月連続で平年の月降水量を上回る地点が県内全域で相次いだ。松江地方気象台は「暖かく湿った空気が流れ続けて前線が活発になり、体験したことのない大雨となった。8月は前線が停滞したことも一因」と分析する。

 8月は、台風9号の影響で9日に益田市で増水した高津川に転落した男性(46)が死亡。線状降水帯が発生した隠岐地方では、西ノ島町の60代女性が自宅近くの側溝で遺体で見つかった。住宅被害は破損や浸水の計134棟に上った。

 14日には、江の川下流域で広島県側の大雨も影響して氾濫が発生し、江津市、川本町に浸水が広がった。さらに18日、出雲市で国道9号沿いの山の地滑りにより、路面に亀裂を確認。大田市までの9・1キロの区間で全面通行止めが続き、復旧に時間を要している。

 県のまとめによると20日時点で、農林水産の被害額は全19市町村の計228億1900万円。2018年の西日本豪雨時に比べて10倍近くに上る。公共土木施設の被害は18市町村計329億7700万円に上り、河川992カ所、道路807カ所で確認。いずれもさらに増える見込みという。(高橋良輔)