10年前の高校教科書に載ったカンニングを思い出した。京都大など4大学の入試問題が試験中、外部の質問サイトでやりとりされた事件である。送る手口は携帯電話。ITの利器は、もろ刃と思い知らされた▲天災と同様、忘れたころにやってくるのだろうか。先ごろあった大学入学共通テストの試験中、問題文の画像が家庭教師紹介サイトを通じ、流出していたという。今回も何やら、IT機器を悪用したカンニングらしい▲カンニングは刑法に触れる恐れもある。冒頭の事件では、送り主で当時19歳だった予備校生が偽計業務妨害の疑いで逮捕された。その後の裁判で不処分となったものの、払った代償は大きかったはず▲それでも当時は少年法に守られ、匿名扱いだった。これからは、同じようにいくとは限らない。この4月から成人年齢を18歳へと引き下げる改正民法に併せ、改正少年法では19歳と18歳の扱いが裁判などで厳しくなる▲受験会場と外部とのやりとりを防ぐ電波でも流せば―とも思うが、法律の壁があるようだ。結局は、受験生の良心に委ねるところが大きいのだろう。じたばた、ずるをしてもお天道様が見ている。何より己の心に染みが残るのに。