スマホが手放せない理由の一つは、自分の居場所を教えてくれること。知らない町で道に迷い、途方に暮れた情けなさはもはや昔話だ。だが頼り過ぎはご用心らしい。人間はいずれ方向感覚を失うかもしれない▲日本自動車連盟(JAF)会員誌の最新号が「方向音痴のギモン」を特集している。方向感覚とは、頭の中に描いた地図のどこに自分が居て、どちらを向いているかをつかむ空間認識能力。それが足りない方向音痴だと自認している人は3割に上る▲しかも世代が若くなればなるほど、その割合が増えるから驚く。路上の「スマホ歩き」で誰かの肩とぶつかり、ハンドルを握れば紙の地図よりカーナビ頼み。そうしたデジタル漬けの影響だろうか▲残念なことに、短時間で方向感覚を鍛える決め手はないそうだ。では、災害時に帰宅難民とならないためには? 現在地が安全なら「動かない」が鉄則だが、帰宅途上で交通機関が止まる場合に備え、道を確かめながら歩く事前練習がお勧めという▲いや、テレワークに徹すれば、そもそも帰宅難民にはならない―。などと時代の先を読む「方向感覚」で愚考してみる。するとなおさら、スマホが手放せなくなる?